セブン&アイのガバナンスから学ぶこと

・小売りアナリストの青木英彦氏(野村證券)が神戸大学で取得した博士論文を送ってくれた。テーマは「純粋持株会社のコーポレート・ガバナンス機能について」というものである。20年以上の小売りアナリストの経験をふまえて、セブン&アイの事例研究を行っている。学術論文であるが、実に分かり易く大いに参考になる。

・投資家として、企業をみる時、1)創業経営者の影響力はどこまで続くのか、2)企業グループを形成していく中で、組織のマネジメントはどのように実行すると効果的なのか、3)後継経営者の立ち位置はどうあるべきなのか、4)社外取締役はどこまで機能するのか、という点について考える時、生きたケーススタディとなろう。

・セブン&アイの場合、まだ答えは出ていないが、次はどうなるのか。ここから株式に投資して本当に成果が上がるのか。ここでは、この問いに答えるのではなく、その前提となる企業経営者と組織のあり方について、少し議論してみたい。

・純粋持株会社は本当に機能するのだろうか。多くの会社は、1つの会社の中で、いくつもの事業部を有し、その他にも子会社をもっているケースが多い。この事業部が各々独立した会社として運営され、その上に純粋持株会社がある時、純粋持株会社の社長の役割は、まさに事業ポートフォリオのマネジメントである。

・これがうまくマネージできる社長は多くない。1つの事業の中で育って、その成功を通して昇進してきたからといって、最上位の社長になって異なるビジネスモデルから成る事業ポートフォリオをマネージすることはかなり難しい。通常、その訓練を受けて育ってきていないからである。

・創業者が一代で企業を大きくして上場している時、次の後継者をどう選定していくのか。資本のマジョリティを持っているのであれば、自分の子供を後継ぎにしたいと思うのが世の常である。社員からみても求心力を持ってまとまるには都合がよい。但し、後継ぎがそれなりに優秀であれば、という条件付きである。そうでないと、会社はすぐにタガが緩んで衰退に向かう。

・子供がそこそこ優秀でもうまくいかない事が多い。創業者は嗅覚に優れており、咄嗟の判断力で苦難を乗り切ってきた経験を有する。それは、もともとの才能ともいえる。後継ぎに同じことを求めるのは、酷であろう。2代目はそこを弁えた上で、自分の力量を高めていかなくてはならない。

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