企業価値向上の実践~塩野義製薬の‘自分ごと化’

・一方で、成功の確率は0.1%よりも低い。つまりリスクが高いので、財務的に借入依存はできず、自己資本比率を高く保つ必要がある。キャッシュバランスを厚くもつので、ROEが低くなる公算も高い。

・新薬の特許は出願から20年、特許が切れればジェネリック品がすぐに出てくる。年商1000億円の売上があった大型新薬でも、特許切れの6カ月後には年商100億円ペースに落ちてしまう。このジェネリックによって、新薬の売上げが激減するパテントクリフ(特許切れによる収益の崖)をいかに乗り越えていくかが、最大の経営課題である。

・そのためには、パテントが切れる前から次のビジネスモデルを考えておく必要がある。新薬開発には長い時間がかかり、途中で失敗に至る事も多い。新薬が途切れずに、うまくつないで行けるビジネスサイクルをいかに築いていくかが10年単位で求められる。

・塩野義製薬は創業140年、新薬開発に特化している。2016~2017年にメガヒット商品のパテントが切れるので、その準備に力を入れてきた。国内だけでは市場が限られているので、グローバルな基盤作りに注力した。米国企業を買収したが、グローバルな開発体制を進める中で一時かなり苦労した。

・2008年に米国のサイエル社を1500億円で買収し、この会社の有する販売力を活かそうとした。2カ月後にリーマンショックがおき、新薬開発のいくつかのものが開発中止となったこともあり、米国の子会社のマネジメントが上手くいかなくなった。

・そこで、大規模なリストラを行い、マネジメントも交代させ、減損も行った。PMI(ポスト マージャー インテグレーション)が甘かった、と手代木社長はいう。

・経営は、論理だけではなく、感情が左右する。新しいマネジメントはビジョンを語り、共感を得るようにリーダーシップを発揮した。失敗を怖れて何もしないのではなく、失敗を通して人材が育つように展開した。

・パテントクリフへの対応として、2013年にクレストール(高コレステロール血症治療薬)に関するアストラゼネカとのロイヤリティ契約を見直した。特許が切れると、当社がアストラゼネカに与えていた新薬の製造販売権も終了し、同社からのロイヤリティ収入(約800億円)が一気になくなってしまう。互いに困るので、ロイヤリティの受取、支払いの方法を一気にゼロにするのではなく、早目に減らして、ゆっくりなくなるようにした。激減緩和策をとったのである。

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