S&P 500月例レポート(2018年4月配信)

●S&P500指数

 願わくは2018年第1四半期が、2009年3月9日に始まり9年に及んだ長期上昇相場(この間の上昇率は290%、年率換算リターンは16.2%)の“終わりの始まり”ではなく、調整局面であれば良いのですが。少なくともウォール街と私自身はそうであって欲しいと思っています。

 2018年1月26日に過去最高値を更新して以降、相場は(控えめな表現ですが)小休止状態です。2009年からの強気相場で、S&P 500指数は202回にわたり終値での最高値を更新しました(2016年11月8日の大統領選挙後では84回、今年に入ってからは14回過去最高値を更新)。そして、正式に調整局面に入り、2018年2月8日に株式市場は高値から10.16%下落しました(前回の調整は2016年2月の10.51%)。現時点ではレンジ内での値動きが続いており、直近の底値からは2.32%上昇したものの、依然として最高値からは8.08%下落した水準にあります。

 第1四半期で見ると、S&P 500指数は1.22%下落し(配当込みベースのトータルリターンはマイナス0.76%)、2015年9月(マイナス6.94%)以降で初めて四半期騰落率がマイナスとなりました。

 11セクターのうち、9セクターで騰落率がマイナスとなり、電気通信セクターがマイナス8.69%と全セクター中で最低のパフォーマンスを記録しました。なお、大統領選挙以降では3.14%のマイナスとなっています。金利敏感セクターの公益事業と不動産も振るわず、それぞれマイナス4.20%とマイナス5.79%となっています(ただし、大統領選挙後のリターンはそれぞれ2.76%と2.29%のプラス)。金融セクターの第1四半期のリターンはマイナス1.38%でしたが、大統領選挙以降では37.92%上昇しています。エネルギーセクターの四半期リターンはマイナス6.58%、大統領選挙以降でも原油価格が上昇したにもかかわらずマイナス2.39%となっています。

 消費者関連の2つのセクターは対照的な動きとなりました。一般消費財セクターの年初来リターンは2.76%、大統領選挙後では28.92%上昇しています。背景には(減税と雇用機会の増加による)所得増が消費活動を一段と刺激するとの期待感があります。一方で、生活必需品セクターの四半期リターンはマイナス7.77%、大統領選挙後の騰落率は0.19%のプラスとなっています。

 情報技術セクターもパフォーマンスがプラス(全セクター中で最高)となり、第1四半期は3.20%上昇し、大統領選挙後の騰落率も42.78%のプラスでトップとなっています(ただし、現在は売り圧力にさらされています)。

 個別銘柄の動きをみると、値下がりした銘柄数が値上がりした銘柄数を上回りました。値上がり銘柄数は208銘柄、このうち10%以上値上がりしたのは64銘柄、20%以上値上がりしたのは14銘柄でした。値下がりした銘柄数は296銘柄で、10%以上値下がりしたのが93銘柄、20%以上の値下がりは11銘柄でした。全銘柄の第1四半期の平均騰落率はマイナス1.16%となっています。

 第1四半期の決算発表(大手銀行は4月13日からの予定)が始まる4月はS&P 500指数が試される展開が予想されます。4月中に指数構成銘柄の3分の2以上が決算発表を行うことになっています。アナリスト予想や会社発表の見通しを踏まえると、法人税減税を背景に好業績への期待感が強くなっています。

 市場が注視しているのが、予想される自社株買いの増加(発行株数の減少)に起因するEPSの伸びに比べて、税率引き下げによるEPSの伸びがどの程度になるか、ということです。全般的に、あまりに期待感が強いために、記録的な四半期決算となっても市場に失望感が広がる可能性があります。また、4月に特に注意すべき点として、減税(2月分の源泉徴収税から実施)による所得増加分を消費に回す兆候が家計部門で確認できるかが挙げられます。

 過去の実績を見ると、4月は63.3%の確率で上昇しており、上昇した月の平均上昇率は4.26%、下落した月の平均下落率は3.35%、全体の平均騰落率は1.30%の上昇となっています。今後のFOMCのスケジュールは、2018年5月1-2日、6月12日-13日*、7月31日-8月1日、9月25日-26日*、11月7日-8日、12月18日-19日*(*は記者会見が行われる)となっています。

 3月にS&P 500指数は2.69%と大きく値下がりしたものの(配当込みのトータルリターンはマイナス2.54%)、下落率は2月の3.89%(同マイナス3.69%)からはむしろ改善しました。この結果に1月に記録した5.62%(同5.73%)の大幅な上昇を加えると、2018年第1四半期にS&P 500指数は1.22%の下落となり(同マイナス0.76%)、四半期ベースでは6.94%下落した2015年第3四半期以来の値下がりとなりました。また、大統領選以降の上昇は23.43%(同26.96%)となっています。

 3月は引き続き不透明感が漂い、日中のボラティリティは上昇し、相場と市場の雰囲気の方向性は目まぐるしく変化しました。ボラティリティは相場の変動が少なかった2017年(1%以上の上昇または下落となった日数は全体の3.2%)よりは大幅に高いながらも許容できる水準にとどまりましたが、過去に比べるとやはり高水準となっています(2008年は53%、年初来では38%でしたが、1928年以降の平均は19.1%)。ボラティリティが上昇したとはいえ、市場は冷静で、混乱した様子は見られませんでした。

 3月は最高値の更新はありませんでしたが(直近の最高値は2018年1月26日)、再び調整局面入り(10%以上の値下がり)することもなく、広いレンジでの値動きとなりました。現在、S&P 500指数は最高値を8.08%下回る水準となっていますが、9年間に及ぶ強気相場とこれまでの上昇率(290%、年率16.23%、配当込みのトータルリターンは372%、年率18.71%)を考えれば、意外ではありません。

 3月は引き続きセクター間の騰落率の差が大きく、最も値上がりしたセクターと最も値下がりしたセクターの騰落率の差は7.86%となりましたが、2月の11.23%、1月の12.34%からは大幅に縮小し、ここ2年間の平均である9.78%を下回りました。3月は11セクター中3セクターが上昇しましたが、相場が乱高下したため、11セクターが揃って上昇した週(3月29日までの週(30日はイースターの祝日)と3月9日までの週)と、揃って下落した週(3月23日までの週)がありました。一方、2月は全セクターが下落し、1月は8セクターが上昇しました。第1四半期を通して見ると、2セクターが上昇し、9セクターが下落しました。

 3月は概ねリスクオフ相場となり、高利回り株が追い風を受ける中、最も高いパフォーマンスを示したのは公益事業セクターでした。同セクターは3月には3.40%上昇しましたが、年初来では依然として4.20%の下落となっています。不動産セクターは3.27%上昇しましたが、年初来ではなお5.79%の下落でした。エネルギーセクターは原油価格の上昇が追い風となり、1.55%上昇して3番目に高い上昇率となりましたが、年初来では6.58%の下落でした。電気通信サービスセクターは3月に1.12%下落したことから、第1四半期は8.69%の下落と、全セクターの中で最も低いパフォーマンスとなりました。

 消費関連セクターも下落しましたが、下落率は全セクターの平均を下回りました。一般消費財セクターは3月に2.46%下落したものの、年初来では2.86%上昇してプラスのパフォーマンスを維持しました。一方、生活必需品セクターは3月に1.32%下落し、年初来では7.77%の下落となりました。

 情報技術セクターは、Facebookの個人情報流出問題(これは今やソーシャル・メディア全体の問題となりつつあります)と利益確定の動きを示す兆候の両方から圧力を受けて、3月は3.95%下落しましたが、年初来ではなお3.20%上昇しており、全セクターの中で最高のパフォーマンスとなっています。金融セクターは3月に3.95%下落したため、年初来のパフォーマンスはマイナスに転じ、1.38%の下落となりました。

 銘柄の変動をみると、3月は引き続き値下がりした銘柄数が値上がりした銘柄数を上回りました。値上がり銘柄数は193銘柄(平均上昇率は4.02%)となり、2月の88銘柄からは改善しましたが、1月の381銘柄を下回りました。このうち10%以上値上がりした銘柄数は8銘柄(平均上昇率は16.62%)で、2月の12銘柄を下回りました(1月は85銘柄)。3月に値下がりした銘柄数は312銘柄(平均下落率は4.31%)で、2月の417銘柄(1月は124銘柄)を下回りました。

 年初来では、208銘柄(2月は272銘柄)が上昇(平均上昇率は8.68%)し、そのうち64銘柄(2月は91銘柄)が10%以上値上がりしました(平均上昇率は18.25%)。値下がりしたのは296銘柄(2月は232銘柄)で(平均下落率は8.07%)、10%以上値下がりした銘柄数は93銘柄(2月は91銘柄)(平均下落率は14.90%)、このうち6銘柄が25%以上値上がりし、2銘柄が25%以上値を下げました。

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