統合思考(Integrated Thinking)の実践に向けて

・かつて佐伯胖(ゆたか)先生(認知心理学者)から学んだ。行動科学的にみると、ヒトは合理的(rational)であろうと行動する。合理的である基準は、1)一貫性(coherent)、2)最適性(optimal)、3)開放性(open)にある。しかし、現実の意思決定や行動は必ずしも合理的ではない。

・法人としての企業も、それを運営するのはヒトであり、社会的存在として不合理な行動をとることも多い。不正は論外として、社会のためという公益と、法人としての自社の長期的な利益を、いかにバランスよく発展させていくかが問われる。この一貫性(coherency)を継続するには、誰のため、何のためという視座を絶えず確認する必要があろう。

・企業にはさまざまなステークホルダーがいる。誰を優先するのか。順番はどうか。顧客、従業員、取引先、地域社会、株主の中で誰の利益を大事にするのか。こうした問い自体が、設定として的確ではないといえる。

・ステークホルダーにとっての価値を、和集合で捉えるのか、積集合で捉えるのか。日本では株主がとかく軽視されがちであったが、欧米では株主優先が行き過ぎともなった。バランスが大事である、といっても抽象的である。

・そこで、企業価値創造とは何かを再考する必要がある。伊藤邦雄教授は、ROEを超えて、ROESGを重視すべしと問題提起している。ROEは大事であるが、そこにESGを組み入れて、価値創造を考えるべし、という提案であろう。

・PBR=ROE×PERである。つまり、時価/簿価純資産=簿価自己資本利益率×利益成長倍率である。今問われているのは、簿価ではなく、時価でもなく、フェアバリュー(公正価値)である。投資家は簿価に投資するのではない。今の株価は時価(市場価格)であるが、本当のフェアバリューであるとはいえない。一方で、何がフェアバリューかは明示的に分からない。しかし、何らかのバリューを想定し、それを仮説として実現を目指す。

・企業が新たなる価値創造に向けて、マルチキャピタルに投資するのは、新しいフェアバリューを創るためである。よって、長期の利益成長と同時に、それを生み出すために、バランスシートに明示的に載っていない無形資産の価値に注目する必要がある。その意味で、ROESGは、単なるE(簿価純資産)ではなく、ESGをキャピタルとして組み込んだ時のESG純資産(フェアバリュー)として評価することが求められよう。

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