S&P 500月例レポート(2018年3月配信)

●S&P 500指数

 2月は最終的に上昇する銘柄と下落する銘柄で明暗が分かれ、相場にとって厳しい月となりました。日中の変動率は上昇し、最高値と最安値の差が4%以上となった日は、過去5年間でわずか2回だったのに対して、2月は4回となりました(2008年は49回)。VIX恐怖指数は一時50.30に達し(月中の最低は12.50)、最終的には1月末の13.54から46.6%上昇して、19.85で月を終えました。市場は2月8日に10.16%下落して調整局面入りしましたが(前回2016年2月11日の調整局面では10.52%下落した後、48.37%上昇)、その後反発し、2018年1月26日の最高値からは5.54%下落、1月末からは3.89%下落して月を終えました。2018年3月20日-21日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で追加利上げが発表されると見る向きがほとんどで、利上げが迫っているという認識(2018年の利上げは3回との見方が依然として優勢ですが、4回の可能性も高まりつつあります)が相場の重しとなりました。投資家が押さえておくべき明るい材料は2つありますが、重要なのは騰落率です。第一に、ファンドマネージャー(および個人投資家)の大半が市場にとどまり、買い支えたことで打撃が軽減され、売りが抑制されました。第二に、相場はレンジ圏に入った模様で、市場に参加したい投資家と市場から退出したい投資家の間の均衡が保たれました。

 3月は市場が落ち着きどころを探る展開となる中、引き続きレンジ内での値動きが予想されます。相場の上昇を後押しするとみられる材料の一つは、所得税減税が(税率の引き下げに伴う給与増を通じて)消費者の購買意欲を押し上げていること(2017年第4四半期の売上高は前年同月比9.4%増と記録的な増加)を示す兆候が表れている点です。マイナス材料は、企業の強気の業績見通し(アナリストもこの見方を支持)を背景とした業績予想の大幅な上方修正で(2018年初来で7.1%増)、企業の実績が予想を下回った場合、市場が失望売りに転じる可能性もあります。

 過去の実績を見ると、3月は61.8%の確率で上昇しており、上昇した月の平均上昇率は3.55%、下落した月の平均下落率は3.63%、全体の平均騰落率は0.65%の上昇となっています。3月15日は古代ローマ暦でシーザーが暗殺された日で、過去においてはこの日まで堅調なラリーが続いた場合、米国株式市場はその後大幅に減速する傾向があります。3月15日は61.2%の確率で上昇しており、対して過去全体の平均は52.2%となっています。今後のFOMCのスケジュールは、2018年3月20日-21日(パウエル議長を中心とする新体制での初めての開催)*、5月1日-2日、6月12日-13日*、7月31日-8月1日、9月25日-26日*、11月7日-8日、12月18日-19日*(*は記者会見が行われる)となっています。参考情報:S&P 500指数構成企業が発行する社債の支払利息は2017年9月までの12カ月が2070億ドルと、2016年9月の1890億ドルからは9.5%増、最近の最低である2010年第3四半期の1680億ドルからは22.9%増加しています。支払利息は増加する見通しですが、2017年9月までの12カ月の支払利息は2008年第1四半期に記録した過去最高の4880億ドルを57.6%下回りました。S&P 500指数を構成する大型株の利益に関しては、新たな資金調達(公益事業セクター、電気通信サービスセクター)の影響があると思われるものの、大半の発行債券は利払いのコストが固定されているため(貯金の金利も)、追加の新規債務コストの影響は今のところ比較的限られています(今年の追加利上げを4回と想定しても)。

 S&P 500指数は2月に3.89%と大きく値下がりし(配当込みのトータルリターンはマイナス3.69%)、月間で5.07%下落した2016年1月以降で最も低いパフォーマンスとなりました。これにより10カ月連続の株価上昇と、トータルリターンベースでは過去最長だった15カ月連続の上昇が途切れました(2017年3月に指数は0.04%下落しましたが、配当込みではプラス0.12%となりました)。2月は1月の5.62%の大幅な上昇から反転し、2月8日に高値から10.16%下落して調整局面入りしました(調整局面は正式には10%を超える下落を指します)。その後は月末にかけて5.15%上昇し、結局、1月26日に記録した終値での最高値を5.54%下回る水準で月を終えました。2016年11月8日の大統領選挙以降、最高値は84回更新され、今年1月には12回更新されましたが、2月は最高値の更新はありませんでした。この結果、S&P 500指数の上昇率は、年初来で1.50%(配当込みのトータルリターンは1.83%)、3カ月では2.50%(同2.96%)、過去1年間では14.82%(同17.10%)、2016年11月8日の大統領選挙以降では26.84%(同30.24%)上昇しました。

 2月は引き続きセクター間の騰落率の差が大きくなり、1月の12.34%からやや縮小したものの、最も値上がりしたセクターと最も値下がりしたセクターの騰落率の差は11.23%となりました(2017年の月間騰落率の差の平均は8.88%)。2月は11セクターが揃って値下がりしたのに対して、1月は8セクター(3セクターが値下がり)、2017年12月は7セクター、11月は全セクターが値上がりしました。最も好調だったのは情報技術セクターで、1月に7.57%上昇した後、2月の下落率は「わずか」0.11%にとどまりました。同セクターの年初来の上昇率は7.45%で、全セクターで最も好調となっています。次に騰落率が良かったのは金融セクターで(ただし、値上がり・値下がりの分岐点からは離れています)、2.95%の下落となりましたが、年初来では3.22%の値上がりとなっています。消費者関連の2つのセクターはいずれも低調でしたが、両セクターの差は依然として解消されていません。1月に9.24%上昇と最も好調だった一般消費財セクターは2月に3.56%下落して、年初来では5.35%の上昇となりました(情報技術セクターに続き、2番目に高い上昇率)。生活必需品セクターは1月に1.41%値上がりした後、2月は7.83%値下がりし、年初来の騰落率は6.54%の下落となりました。2月に最も振るわなかったのはエネルギーセクターです。同セクターは1月の3.76%の下落に続いて2月は11.34%値下がりし、年初来のパフォーマンスは8.01%の下落と、全セクター中最低となりました。金利感応度が高い銘柄が1月と同様に値を下げ、電気通信サービスセクターは2月に7.06%の下落(年初来では7.66%下落)、不動産セクターは6.97%の下落(同8.77%下落)、公益事業セクターは4.39%の下落(同7.36%下落)となりました。

 銘柄の変動をみると、2月はこれまでとは反対に、値下がりした銘柄数が値上がりした銘柄数を大幅に上回り、値上がり銘柄数は88銘柄(平均上昇率は4.48%)と、1月の381銘柄、12月の281銘柄を下回りました。このうち10%以上値上がりした銘柄数は12銘柄で(平均上昇率は14.55%)、1月の85銘柄、12月の26銘柄を下回りました。一方で、値下がりした銘柄は417銘柄(平均下落率は6.40%)と、1月の124銘柄、12月の224銘柄を上回りました。このうち86銘柄が10%以上値下がりしました(1月は9銘柄)。年初来では、243銘柄が上昇(平均上昇率は7.91%)し、そのうち63銘柄が10%以上値上がりしました(平均上昇率は16.85%)。値下がりしたのは262銘柄(平均下落率は7.82%)で、10%以上値下がりした銘柄数は86銘柄(平均下落率は14.08%)、このうち6銘柄が25%以上値上がりし、3銘柄が25%以上値を下げました。

●企業業績

 2017年第4四半期の決算シーズンは、企業の利益と売上高がともに好調で過去最高を更新し、2018年の業績予想も大幅に上方修正されました。今回は、S&P500指数構成銘柄のうち477銘柄(時価総額で96.6%、銘柄数で94.4%)が決算発表を終了した段階で、359銘柄(75.3%)で利益が予想を上回り、76銘柄(15.9%)が未達、42銘柄(8.8%)が予想に一致する結果となっています。売上高では、完全に比較可能なデータのある473銘柄のうち358銘柄(75.7%)で予想を上回り、その割合は異例の高水準となっています。

 ただし、2017年第4四半期の業績が過去最高を更新し、利益が予想を超過した企業の割合は75%、売上高が予想を超過した企業の割合は76%に及び、前年同期比9.4%の増収(明るい内容)が見込まれるにもかかわらず、市場の関心は第4四半期の業績ではなく、低調だった2018年の利益予想が明るさを増していることに向けられています。通常、この時期は業績予想が引き下げられる時期にあたりますが(アナリストが業績予想の更新や、目標株価、買い/売り/保有の推奨を通じて、今年度の現実に直面することが必要になるため。これに対して、来年度の業績予想は当面、夢物語の数字が続く)、2018年は年初来で、営業利益予想は7.1%、米国の一般会計原則(GAAP)に基づく利益予想は6.2%(GAAP利益は2017年第4四半期に税金の調整により大きく減少)上方修正されています。これらの業績予想(と企業ガイダンス)は3月半ばから下旬にかけて予定される決算期のずれる企業の業績発表が試金石となります。消費者の動向に関しては、現在、手取りの給与が増加し始めており(源泉徴収税の低下を通じて)、月次の小売売上高に給与増による影響の最初の兆候が表れると思われます。

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