外国人実習生が日本を支えている

4、技能実習生の失踪

 法務省の発表によると、外国人技能実習生の「失踪」が急増している。15年に過去最高の5803人に増えたが、16年には5058人に減った。賃金不払いなどがあった企業には実習生受入れを止めさせるなど、法務省が指導を強化した成果だとみられている。しかし、17年は半年間で3千人を突破、年間では初の6千人台になる可能性がある。

 失踪の理由は、「期待していた賃金がもらえなかった」「もっと給料が高いところがある」など、賃金を巡る不満である。

 失踪の急増は、人手不足の加速が背景であろう。有効求人倍率は15年の1.20倍から今年19月には1.58倍に上昇している。先行指標として敏感に人手不足を反映する新規求人倍率は1.80倍から2.50倍に上昇した。かなりの人手不足だ。働き口が見つかりやすくなっていることが、失踪の一番の背景であろう。加えて、パート賃金が上昇し、最低賃金より高い。

 失踪を減らす、抑制するには、茨城県の農業実習生の分析に学べばよい。実習生なしには、農業経営は成り立たなくなっている。規模拡大、所得倍増を図るには、実習生を「金の卵」の如く大切に扱って確保しなければならない。待遇は日本人と同等にすべきだ。人口減少の時代、実習生は生産要素として貴重な資産になってきたのだ。単なるコスト要因ではない。

 アジア諸国を見下すなど、出身国(人種、国籍)への差別意識があってはならない。実習生がプライドを持って働ける環境になれば、「夜逃げ」など起こらない。差別ではなく、いかに共生していくかという方向に向けて、「人間尊重」経営への転換が必要であろう。

 なお、賃金不払いや不法就労者を雇う企業などは厳しく処罰すべきだ。社会のブラック化は避けなければならない。実習生処罰ではなく、不正行為をした企業を罰する方が効果がある。実習制度を公共財と位置付けたい。外国人実習生は日本の社会を支える新しい資産(公共的資産)であり、それを毀損する行為と位置づけ、罪と罰を検討すべきと思われる。

(参考)
拙稿「外国人実習生に支えられた野菜産地」『農業経営者』2018年1月号。
拙稿「外国人実習生に支えられた茨城県農業-技能実習生は財産だ、後継者、高所得の決め手は実習生-」『農業経営者』2018年2月号(予定)。
拙稿「農業を支える外国人実習生-農家のステータスになるか-」山形新聞2017年12月26日付け「直言」欄(予定)。

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