外国人実習生が日本を支えている

3、外国人実習生に支えられた野菜産地 -雇用型農業の発展-

 農業分野は、外国人技能実習生の成長分野になっている。農業の技能実習生受入れが全国で一番多い茨城県の事例で、実習生受入れの効果を分析してみたい。

 野菜産地で実習生受入れが多いが、中でも鉾田市、八千代町は実習生が多い。重量野菜であるハクサイを経営する畑作農家は、10ha規模で3~4人の実習生がいる。八千代町の場合、7~8人もいる。実習生の賃金は月収17~18万円である(残業代込み)。時間給で、時給796円(茨城県平均賃金)。土日も働く。天候が悪い時や、各自が休暇取りたいとき休む。自国に月5~6万円送金している。10万円送金者もいる。

 農家数はどんどん減っている。茨城県全体では2000年の10万3239戸から、15年の5万7989戸に激減した。これに対し、常雇を雇い入れた経営体数は1122戸から2976戸に増えた。外国人実習生を活用した雇用型農業が増えているのである(農村は都市部以上に人手不足であり、常雇は外国人実習生と推測される)。

 実習生受入れの効果は、実習生を沢山受入れ実習生依存度の高い地域と否を比較することで分析できる。結論は、実習生受入れの多い地域ほど、規模拡大に成功し、高所得農業になり、若い後継者も多い。

◇実習生受入れの効果

 図3は、実習生受入れの普及密度と農家の年齢構造の関係を見たものである。相関関係があり、実習生の多い地域は年齢構成が若い。49歳以下の農業就業人口の割合は茨城県平均では13%に過ぎないが、実習生の多い鉾田市は28%(合併前の旧旭村は33%)、八千代町は24%もいる。

 農家の高齢化、後継者不足が問題になって久しいが、この深刻な問題を実習生受入れが解決している。
 

 
 図4は、実習生受入れの普及密度と販売額規模別の農家分布の関係を見たものである。相関関係がみられ、実習生の多い地域は高所得農家が多い。2000万円以上層は茨城県平均では4%しかいないが、実習生の多い鉾田市は23%(旧旭村は32%)、八千代町は19%もいる。
 

 
 以上のように、外国人実習生が地域や農業経営体に与える効果は大きい。実習生を導入している農家は高所得農業を達成し、それが若い後継者の確保につながっている。「実習生 様様」である。(拙稿「外国人実習生に支えられた野菜産地」『農業経営者』2018年1月号及び拙稿「外国人実習生に支えられた茨城県農業-技能実習生は財産だ、後継者、高所得の決め手は実習生-」『農業経営者』2018年2月号(予定)参照)。

 成功している農家は、皆、実習生と良好な関係を持っている。外国人として差別するのではなく、「金の卵」のように大切に扱っている。アジアの途上国出身といって見下すようなことはせず、人間として「尊厳」をもって実習生に接している農家ほど、経営発展を確実にする。実習生を上手に使いこなす経営力が必要だ。

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