S&P500月例レポート(2017年12月配信)

●企業業績

 S&P500指数構成企業の98%が第3四半期の決算発表を終え、第3四半期(正式にはまだ全銘柄が決算を終えていませんが)の企業業績が好調だったことが確認されました。全体としては、営業利益と米国の一般会計原則(GAAP)に基づく公表利益がともに過去最高益を更新し、市場を下支えしました。しかし、増益は株価の上昇で概ね織り込まれており、株価収益率(PER)は過去の水準に照らして高止まりしています。目下、「20倍以上のPERは今や当たり前なのだろうか」と疑問に思う向きもあるでしょう(私を含め、多くの人がこの点について考えていると思われます)。第3四半期を振り返ると、比較可能なデータがある497銘柄のうち、72.4%に相当する360銘柄で業績が予想を上回りました(過去平均は67%)。情報技術セクターの業績は目覚ましく、89.6%の銘柄で予想を上回り(これは予想の妥当性に疑いを抱かせるほど高い割合)、同セクターは9月末以降で8.68%、年初来で36.96%上昇しています(年初来騰落率はS&P500指数の全セクターの中で最高)。電気通信サービスセクターも注目されましたが、予想を上回った銘柄は半分にとどまり、同セクターは9月末以降で4.05%、年初来では11.79%の下落となっています(年初来騰落率はS&P500指数の全セクターの中で最低)。売上高を見ると、2017年第3四半期は、495銘柄のうち331銘柄で予想を上回り、予想を上回った比率は異例の高水準である66.9%となりました。この比率以上に明るい材料は、売上高が前年同期比6.0%増加したことで、ホリデー商戦の速報値が個人消費の増加を示す中、消費支出の加速が期待されます。

 今後を展望すると、2017年第4四半期の業績予想を9月末と比べるとわずかに1.6%しか下方修正されておらず、堅調に推移しています。第4四半期は再び過去最高益を更新し、2017年通期の利益も過去最高水準が予想されています。現時点で注目すべきセクターはまたもや情報技術セクターで、同セクターの第4四半期の利益は前年同期比27.4%増となって過去最高益の更新が示唆されており、全セクターの中で利益への寄与が最大となることが見込まれています。2018年に関してみると、通常、年末から1月にかけては、アナリストの年末評価と目標株価の更新に伴い、予想の修正が最も大きくなる時期に当たります。所得税改革をめぐる不透明感を踏まえれば(現時点で、ボトムアップの業績予想は税制改革による恩恵を織り込んでいるように見える一方、トップダウンの予想では、幅広い想定に基づき様々な憶測がなされています)、アナリストは議会の休会入り後まで予想の修正を遅らせようとするかもしれません(下院は12月14日(木曜日)、上院は12月15日(金曜日)で休会となる予定)。

●個別銘柄

 iPhone(アイフォーン)メーカーのApple(AAPL)は、上場企業として世界で初めて、時価総額が9000億ドルを一時突破しました(S&P500指数のトリビア:S&P500指数構成企業の時価総額に占めるAppleの割合は3.60%。ちなみに、IBMは1985年に6.37%、Microsoftは1999年末に4.92%を占めました)。インフラ・テクノロジー銘柄のGeneral Electric(GE)は年初来で42.1%下落しています。同社は、事業再編に伴うコスト削減の取り組みの中で、配当を従来の半分に減額しています(41億ドルもの減配額はS&P500指数の歴史上8番目の規模で、過去最大はGEが2009年に行った89億ドルの減配)。ビットコイン(BTCUSD)は一時1万1365ドルに達し、9615ドルで11月を終えました。2016年末は968ドルでした。Alibaba(BABA)の独身の日(11月11日)の売上高は254億ドルとなりました。ブレグジットをめぐる欧州連合(EU)と英国の交渉では、ブレグジットに伴う最大1330億ドルの支払い義務に関して暫定合意に近づきました(今後、承認される必要があります)。英国はこの額の半分を(何年にも分散して)支払う方針を示しています。

●その他トピック:ホリデーシーズンを迎えたが、歳末商戦はどうか?

 ブラックフライデーの週末のオンライン売上高は79億ドルでした。推定では、サイバーマンデー(11月27日)のオンライン売上高は66億ドルと過去最高を記録し、ブラックフライデーは50億ドル、感謝祭祝日(木曜日)は29億ドルとなりました。27日までの11月のオンライン売上高は前年比16.8%増の500億ドルとなっています。これに関連して、Amazon(AMZN)の株価は11月に過去最高値を更新し、同社のジェフ・ベゾスCEOの総資産は一時1000億ドルに達しました(個人の資産額がこの水準に達したのは初めてで、同氏は現時点で世界で最も富裕な個人となっています)。

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