『白い ブラックスワン 』の飛翔 ~日本に対する異常悲観の大修正が始まった

●正と負と、二つのバブルに振れた日本株式

 1990年の日本株価はミスプライシング、本質的価値からかけ離れて高かった。それは当時の株式益回り2%以下(PER50倍以上)、配当利回り0.5%、長期国債利回りと預金金利8%、を比較すれば一目瞭然である。同様に、現在の日本株式も極端なミスプライシング、本質的価値からかけ離れて安いことは、株式益回り6%(PER15倍)、配当利回り2%、預金金利と長期国債利回り0%とを比較すれば明らかである。この明白な誤り(いわばアップサイドのバブル、ダウンサイドのバブル)はいずれ必ず是正される。1990年以降の日本株式の暴落はまさしくミスプライシングの是正運動であったが、今同様に壮大なマイナスバブルの是正運動が起き始めているといえる。これは年末24,000~25,000円、2018年末30,000円、2020年4万円という壮大な上昇相場の序章である可能性が濃厚であると考える。当社はアベノミクスのスタート直後2013年、日経平均10,000円前後の時に『日本株100年に一度の波が来た』(中経出版)を上梓し、以降日経平均は4万円になると主張し続けている。いや、4万円も単なる通過点に過ぎないだろう。

●経済展望のコペルニクス的転換を→再帰性論、資産価格から実体経済へのフィードバック

 こうした強気論を理解するためには、人々は経済思考をコペルニクス的に転換させることが必要である。株高を冷ややかに見ている人々は、犬が尻尾を振ると考えている。つまり、本質は実体経済にあり、株価はその鏡に過ぎない、という信念である。しかし時には尻尾が犬を振る、つまり株価が実体経済を動かすこともある。投資家ジョージ・ソロスは再帰性論(reflexivity)という論理を主張し、通常では実体経済を反映する資産価格や金融市場が、逆に実体経済に影響を与えるフィードバックが起きることを説いた。リーマンショック前後の顛末を振り返れば、まさしく資産価格から実体経済へのフィードバックの連続であったことがわかる。先ず過剰な資産価格の上昇(正のバブル)が過剰な需要を実体経済に及ぼしたが、その後に起こったフェアバリューから著しくかい離した資産価格の下落(負のバブル)が、実体経済に壊滅的打撃を与えた。まさに資産価格が実体経済を振り回したのである。

●QEは再帰性論の適用事例

 再帰性論はそれでは終わらない。リーマンショック後に主要先進国で一斉に導入されたQEは、資産価格を中央銀行がコントロールすることで、実体経済を動かそうとする政策であった。その波及経路(トランスミッションメカニズム)は、中央銀行のバランスシート膨張による資産購入→長期金利の引き下げ(債券価格の押し上げ)→株高・不動産価格上昇→金融機関・企業・家計のバランスシート改善→投資・消費の刺激(リスクテイク促進)→インフレ期待の上昇、というものであつた。図表5はQEが見事に成功した米国の家計のバランスシートの顕著な改善である。リーマンショック直前の2007年第2四半期に68.2兆ドルであった家計純資産(総資産-債務)は、リーマンショック直後の2009年初に55.1兆ドルまで急減したが、その後の株価の急上昇(リーマンショック後のボトムから直近まで3倍に)、住宅価格のバブル崩壊前への回復により、直近(2017年第2四半期)では96.2兆ドルに増加した。家計純資産の水準を家計の可処分所得と比較すると、リーマンショック直前のピーク6.5倍、直後のボトム5.1倍、直近6.7倍となっている。この顕著な資産効果が米国経済回復のけん引車であったことは明白である。

 尻尾で犬を振るという政策、とんでもないと思われた政策であるQEが採用されず資産価格が低迷をつづけたなら、経済は破局的に悪化し続けたであろう。
 

 

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> 市場解説・相場展望> 『白い ブラックスワン 』の飛翔 ~日本に対する異常悲観の大修正が始まった