企業の質と株価パフォーマンス

・8月末にアナリスト協会と日本ファイナンス学会の共同セミナーが開かれた。テーマは、どのような投資行動が株式投資のパフォーマンスをもたらすか、というものであった。2つの研究発表があったが、その学術的な実証研究をベースに、一般的な投資家はどのような投資を行うのがよいかを検討したい。

・日興アセットマネジメントの石川康氏(オルタナティブ運用部長)は、日本企業の投資効率について分析を行った。1)設備投資を増やしている企業の株価リターンは高いか、2)R&D投資を増やしている企業の株価リターンは高いか、3)従業員数や人件費が増えている企業の株価リターンは高いか、という観点から投資効率を吟味した。過去のデータに基づく実証研究である。

・主な結果として、1)投資が増えた日本企業のROEは低下しており、とりわけ小型株の投資リターンは低下傾向にある、2)投資に慎重な企業では、投資をすると投資効率に差が出やすい、3)労働集約型の企業では投資効率が下がりやすい、というものであった。

・つまり、設備投資、R&D、従業員、人件費を増やした企業のROEは低下しており、小型株では投資リターンもマイナスであった。投資に慎重な企業はROEがよい傾向が見られ、R&Dを拡大すると、株価リターンは低下している。労働集約型の企業では人を増やすとROEが下がり、資本集約型では人を減らすとROEが上がる。

・これまでの先行研究でも、1)設備投資を増やすと株式リターンは下がる(米国)、2)独立系の企業なら設備投資の増加は株式リターンの増加に結びつく(日本)、3)R&D投資の高い企業の株式リターンは低下する(米国)、4)R&Dだけでなく、そこに投資効率(アビリティ)を入れると株式リターンは向上する(米、日、独)、5)従業員満足度が高いと、株式リターンは上がる(米国)などの研究はあった。

・ここからは筆者の見解であるが、設備投資にしても、R&D投資にしても、人材投資にしても、やれば成功するというものではない。全体を合計してみると、収益性や投資効率に必ずしも寄与していない。結果として株式のリターンに結びついていないとみられる。

・その意味するところは、設備投資をやる企業、R&Dを増やす企業、人員を増やす企業は成長しそうだから、そのようなインデックスに投資する、という行動は短絡的である。

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