欧米の取締役会の実効性~建設的対話とアクティビストのインパクト

・もう1つ重視すべき点は、アクティビズムが米国から世界に広がっていることである。企業経営の改革に具体的な提案を行って、その戦略を、議決権を通して強力に実行させようとする。建設的な対話で、マネジメントに気付きをもたらすというレベルではなく、敵対的であっても、論理的に強引に提案を実現させようとする。

・このアクティビストの動きは、かつては異端で、例外で、社会的にも害悪ではないかとみられていた。しかし、今や全く違った存在となっている。どの世界をみても、一定の主張をもった人はいる。それがまともな場合もあれば、独りよがりな場合もある。運用の世界で、アクティビスト・ファンドは今や1つのアセットクラスとして、それに投資する機関投資家や年金オーナーが増えている。

・会社を改革するには少し強引でも、筋の通った経営にトランスフォームする必要があり、それを実行すると、目先の利益ではなく、長期的な企業価値が明らかに向上することがありうる。そこに共感する投資家は、アクティビスト・ファンドに投資をする。その方が、パフォーマンスが上がるからである。

・かつては業績不振会社がキャンペーンの対象とされたが、今では業績がそれなりによい会社でもターゲットとされる。しかも、米国企業から欧州の企業へ広がっている。現状と違った戦略を採用すると、より価値向上が図れるとみて、そうした提案をぶつけてくる。

・取締役会のメンバーもターゲットにされる。1)価値創造のトラックレコード(実績)はきちんともっているか、2)その任に当たるスキル(能力・経験)を有しているのか、3)社会的に何か不十分なところはないか、という点が問われる。

・アクティビストが狙ってくる経営改革の内容は、オケリー氏によると、全体の46%が戦略の変更、29%がM&Aの見直し(事業の売却)、27%が取締役会の構成(後継者の指名)についてであるという。

・そして、一定の水準を超えるパフォーマンスを達成しているという満足度基準ではなく、他社よりよいというだけでも不十分で、ベストを尽くしてフルパフォーマンスを上げよと、企業価値の極大化を要求してくる。

・日本のコーポレートガバナンス改革におけるエンゲージメントは、今のところ建設的対話に留まっているが、海外投資家主導のマーケットになっているので、外人投資家からアクティビスト的要求が強まってくる可能性は大いにある。アクティビスト・ファンドが1つの有力なアセットクラスになっているという点には注目しておきたい。
 

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