S&P500月例レポート(2017年7月配信)

●各国中央銀行の政策行動

 欧州中央銀行(ECB)は政策理事会で現行の政策運営方針を維持し、成長見通しに対するリスクは均衡しているとして、年末には量的緩和を縮小する可能性があることを示唆しました。特筆すべき点としては、将来の追加利下げに関する文言を削除したことが挙げられます。ECBのドラギ総裁はその後の講演でこれまでの景気刺激策を擁護し、景気の下支え政策を早過ぎるタイミングで打ち切ることに否定的な見解を示しました。

 連邦公開市場委員会(FOMC)は予想通り0.25%の利上げを決定しましたが、FRBが現在4兆5,000億ドル規模に膨らんだバランスシートの縮小方法について説明を行ったことは予想外でした。こうした発言は最近の行動(や発言)から予想されたり、それらから示唆されたものよりも、タカ派寄りの印象を与えました。FRBは保有資産について(最終的に)月額100億ドルのペースで縮小を開始し、月額500億ドルに達するまで3カ月ごとにその額を増額していく計画であるとしています。四半期毎に公表されるFOMCメンバーの金利見通しによれば、大半の委員が年内にあと1回の利上げを想定しており(今年最初の利上げは3月に実施。市場参加者は9月に3度目の利上げが行われると予想)、2018年も3回の利上げが想定されていますが、市場はほとんど反応を示しませんでした。

 予想通り、イングランド銀行は政策金利を現行の0.25%に据え置きましたが、8人の政策委員のうち3人が利上げを支持したことを受け、イングランド銀行もタカ派に傾きつつある中央銀行のリストにその名を連ねることになりました。資産購入プログラムの規模も現状維持としています。中国人民銀行も予想されていた通りに、政策金利を据え置きました。

●世界の動き

 バーレーン、エジプト、サウジアラビア、そしてアラブ首長国連邦(UAE)は、カタールがテロリストを支援していることを理由に、同国との国交を断絶し、他の国々も同様に外交関係の一部を断絶しました(カタールの株式市場は7.3%下落)。原油価格は42ドルまで下落し、定義上の弱気相場入りとなりました ―― 直近高値から20%下落(2014年6月の105ドルから60%下落)―― が、月末にかけて僅かながら回復を見せ、46.23ドルで6月の取引を終えました。なお、5月の終値は48.63ドルでした。

 5月の「ランサムウェア」と類似のサイバー攻撃が6月にも世界規模で発生し、標的とされた政府機関や企業で業務に支障が生じました。テロ事件も続き、英国では6月3日の夜にロンドン橋上でトラックが通行人をはね、その後運転していた男3人がナイフで市民を刺す事件が起きました。7人が死亡し、少なくとも50人が負傷しました。実行犯の3人は警官によって射殺されました。ロンドンではさらに、モスク近くにいた群衆にバンが突っ込み、1人が死亡し、10人が負傷しました。テロ事件と断定され、バンの運転手が逮捕されました(英国では過去4カ月で4件のテロ事件が発生)。ブリュッセルでは中央駅構内で爆発がありましたが被害は広がらず、警備中の兵士によって容疑者が射殺されました。

 米国の戦闘機がシリア戦闘機を撃墜したことで米国と(シリアを支援する)ロシアの間の緊張が高まっています。それとは別に、米国はシリアが新たな化学兵器使用の準備を進めていると指摘し、実行した場合の代償について警告を発しました。

●企業の雇用とレイオフ関連

 5月の失業率が4.4%から4.3%に低下して(690万人の新規雇用に相当)、16年振りの低水準を記録しましたが、同時に発表された労働参加率が4月の62.9%から62.7%に低下したことで、この最初の明るい材料は打ち消されました。週平均労働時間は横ばいの34.4時間と、予想通りの結果になりました。時間当たり平均賃金も予想通りに前月比0.2%上昇して26.22ドルとなり、前年同月比では(25.59ドルから)2.5%上昇しました。また、4月の平均賃金は速報値の前月比0.3%上昇から同0.2%上昇に下方修正されました。

 エコノミストはこの雇用統計の「望ましくない」結果は労働市場が引き締まっているためで許容できると考えましたが、タイトな労働市場で期待されている賃金の上昇はまだ実現していません。雇用統計に対する市場の最初の反応として、先物市場が下落しましたが、わずかにプラスにとどまりました(雇用統計は午前8:30に発表されます。市場の取引開始時刻は午前9:30です)。また、金利は2016年11月(選挙の時期)以来の低水準に低下しました。

 4月の求人労働異動調査(JOLTS)は力強い結果を示し、求人件数は予想の572万人に対して604万4,000人と過去最高を記録しました(3月は579万人でした)。この求人件数は雇用者が欠員の補充ができないことも浮き彫りにしました。JOLTSによれば、VerizonはYahoo!との合併後、Yahoo!とベライゾン傘下のAOL部門の従業員2,100人を解雇する予定となっています。

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