見えない資産をいかに見抜くか~「価値協創ガイダンス」の活用

・ESGに取り組む戦略をどう評価するのか。ESGは、1)超過収益の源泉か、2)中長期的なリスクマネジメントか、という論点にどう応えるか。ここは立場によって意見が分かれようが、過去にも似たような議論はあった。

・かつて公害問題が騒がれた時、公害対策はコストか、リスクマネジメントか、会社の価値そのものを高めるものか、という議論があった。今日の価値基準でいえば、環境対応にしっかり取り組み、そこで先進的であることは企業価値にとって明らかにプラスであろう。

・CSRの初期にも同じような議論があった。CSRはコストか、リスクマネジメントか、企業の本業そのものか、という議論である。今までも、リスクマネジメントであるという見方は強いが、CSRを本業と位置付けた会社はあったし、あるべき方向であった。

・ESGはどうであろうか。時間軸が長くなるほど、価値創造におけるESGの重みは増す。やはり、資本コストを下げるリスクマネジメントというよりは、企業価値の向上を通して超過収益の源泉にもなりうるという見方を取りたい。

・投資家はどうか。企業評価にあたって、筆者は価値創造のBMを最も重視し、それをESGインテグレーションの観点から評価するレーティング方式(ベルレーティング法)をとっている。

・最近、三井住友信託銀行や日本生命といった機関投資家からESGを含めた企業評価方法について話をきいた。いずれもDCFによるバリュエーションとは別に、企業価値創造の仕組みをいくつかの軸にそって定性的に評価し、それを3段階や5段階でレーティングして定量化する方法を実行している。

・それを企業のバリュエーションに上手く結びつけようとしている。しっかり実行できれば、運用パフォーマンスは上がってくるはずなので、大いに注目される。今回の「価値協創ガイダンス」を実践的に使いこなし、対話のレベルアップを通して、企業と投資家の双方が互いにパフォーマンスの向上に成功することを期待したい。
 

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