景気成熟、株価割高論は正しいか

●雇用シフト、高賃金頭脳労働から低賃金肉体労働へ

 人々は物価上昇の弱さ、長期金利の低さは経済基調の弱さを示唆し、それは株安ドル安要因であると、考えているようである。が、それは辻褄が合わない。米国の失業率は4.4%と誰が見ても完全雇用状態にある。労働参加率が低下しているからとの解釈があるが、雇用が景気拡大期間累計で1000万人と過去最大の増加ペースを見せていることを見れば、労働需給がタイト化の一途にあることは明らかである。

 実際賃金上昇率も高まっている。にもかかわらず、なぜ賃金上昇率とインフレがFRBのインフレターゲット2%まで高まらないのか。その答えとして、雇用創造が低生産性・低賃金セクターで起こっており、高生産性セクターでは雇用創造が起きていないという構造変化が指摘できる。インターネット、ハイテク革命は急速に頭脳労働者の職域を侵食している、が他方で肉体労働の需要を高めている。米国小売りにおけるネット通販比率は10年前3%であったが、今日9%に高まり10年後には30%に達すると予想されている。それは宅配サービス、トラック運転手で深刻な人手不足を招いている。日本でも共通であるが、雇用創造と賃金上昇率は低賃金セクターにおいて高く、頭脳労働主体の高賃金セクターでは低くなっている。図表6に見るように、所得と雇用創造の逆相関が明瞭である。第一次産業革命は肉体労働者を機械が駆逐したが、現在のインターネット・AI産業革命は機械が頭脳労働者を駆逐しつつあると言える。これは需給がひっ迫している肉体労働者の給与水準を長期にわたって押し上げ、所得格差を縮小させる大きな誘因になるだろう。トマ・ピケティ流の資本主義が必然的に格差を拡大させるといった宿命論の限界が見え始めていると言えよう。
 
zu05-06
 

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