S&P500月例レポート(2017年5月配信)

 米国経済関連では、3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は53.3となり、サプライ管理協会(ISM)製造業景況指数は57.2と、景気判断の節目である50を大幅に上回りました。3月のサービス業PMIは52.8、ISM非製造業景況指数は55.2でした。3月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比2.3%上昇、コアPPIは同1.6%の上昇でした。3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.4%上昇、コアCPIは同2.0%の上昇となりました。2月の建設支出は前年同月比3.0%上昇しました。3月の米自動車販売台数は減少し、General Motors(GM)は1.6%減少、Ford(F)は7.2%減少でした。2月の製造業受注は1.0%増加し、3月の耐久財受注は0.7%増加しました。3月の鉱工業生産指数は0.5%上昇し、設備稼働率は76.1%に上昇しました。輸入は前年同月比4.2%増加し、輸出は同3.6%増加しました。3月の景気先行指数は0.4%上昇し、予想の0.2%上昇を上回りました。2017年第1四半期の雇用コスト指数は前期比0.8%上昇、前年同期比2.4%上昇となりました。2017年第1四半期のGDP成長率(速報値)は前期比0.7%となり、事前予想の1.1%を下回りました。高額商品(自動車など)の消費が減速したことが背景にあります。2016年第4四半期の成長率は2.1%でした(第1四半期の改定値は5月26日、確報値は6月29日に発表予定)。

 住宅市場は引き続き総じて好調で、4月のNAHB住宅市場指数は予想を下回ったものの大幅な伸びとなりました。3月の住宅着工件数は予想を下回りましたが、建設許可件数、ならびに新築住宅販売件数は予想を上回りました。FHFA住宅価格指数は0.8%上昇し、2月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で6.9%の上昇となりました。

 決算発表は市場の支援材料となりました。一方、減税案や各国の選挙結果も市場を支えたものの、決算発表ほどではありませんでした。本稿執筆時点で、290銘柄(S&P500指数の時価総額の63%に相当)が決算発表を終え、そのうち営業利益見通しを上回ったのは220銘柄(全体の75.9%。過去平均は67%)、下回ったのは48銘柄、予想通りとなったのは22銘柄でした。金融セクター(決算発表シーズンが始まった4月は0.97%安)は本稿執筆時点で51銘柄中41銘柄が予想を上回っています。ヘルスケア・セクター(同1.45%高)は31銘柄中28銘柄が予想を上回りました。情報技術セクター(同2.44%)は36銘柄中31銘柄が予想を上回っており、同セクターに対する期待は高く、S&P500指数に最も大きく寄与すると見込まれています。売上高に関しては、結果はこれまでのところ好調で、289銘柄中186銘柄が予想を上回りました(64.4%)。第1四半期は前年同期比で21.2%増(直近の減収局面は2016年第1四半期頃にボトムを付けました)、前期比で4.1%増と予想されています。法人税改革あるいはリパトリ(海外利益の還流)の行方が不透明な中、企業は踏み込んだ予想を立てにくいようで、ガイダンスは期待を下回ったものの、これは想定通りでした。2017年第2四半期に関するボトムアップの業績予想は月中に0.8%引き下げられましたが、基調の転換というよりノイズによるもので概ね堅調に推移しており、四半期ベースでの過去最高益の更新を示唆しています。下半期の予想も決算発表シーズン開始以降0.1%引き上げられて堅調となっており、四半期および年間での過去最高を示唆しています。現時点では、2018年の見通しはほとんど希望(そして夢)にすぎないため、相場にはほとんど織り込まれていません。

 金利は、米国の利上げペースの鈍化が予想されたことから低下し、世界の金利は最低水準付近で推移しました。米国10年国債の4月末の利回りは2.28%で、前月末の2.39%から低下し、2016年末の2.45%を下回りました。米国30年国債の4月末の利回りは2.95%で、前月末の3.01%から低下しました(2016年末は3.07%)。外国為替市場をみると、ユーロは3月末の1ユーロ=1.0656ドルから1.0897ドルに上昇し(同1.0520ドル)、英ポンドは1ポンド=1.2548ドルから1.2951ドルに上昇しました(同1.2345ドル)。円は3月末の1ドル=111.39円から111.54円に下落し(同117.00円)、人民元は3月末の1ドル=6.8866元から6.8940元に下落しました(同6.9448元)。金は1トロイオンス1,269.50ドルで取引を終え、3月末の1,251.60ドルを下回りました(同1,152.00ドル)。原油価格は生産供給を巡る懸念がくすぶる中、3月末の50.85ドルから下落して49.19ドルで取引を終えました(同53.89ドル)。原油価格は値下がりしたものの、米国のガソリン価格は概ね横ばいで、3月末の1ガロン2.315ドルに対し、4月末は2.449ドルとなりました(同2.309ドル)。VIX恐怖指数は大きく変動したものの、4月末は10.82と、3月末の12.37を下回りました(同14.04)。

 個別銘柄では、自動車メーカーの時価総額レースが続く中、Tesla(TSLA)の時価総額は最近、Ford(F)の457億ドルを上回る512億ドルとなり、General Motors(GM)の532億ドルに迫りました。電気自動車という新たなテクノロジーに基づくTeslaが、長い歴史を誇る既存企業のGeneral MotorsやFordよりも高い予想PERで評価されていることがその背景にあります。アルミ製品メーカーArconic(ARNC)のクラインフェルト最高経営責任者(CEO)は、株主である米大手ヘッジファンドElliott Managementを率いるシンガー氏に書簡を送った後、辞任しました。この書簡は脅迫じみた内容を含んでいたと報じられています。自動車メーカーのGeneral Motors(GM)は、ベネズエラ政府がベネズエラにある同社の工場を接収したことから、同国での操業を停止して従業員2,700人をレイオフしました。

 その他の注目すべきニュースとして、4月もソーシャルメディアの力を見せつけられました。United Continental(UAL)の飛行機から乗客が引きずり降ろされた様子を収めた動画が世界中に拡散したうえ、同社が当初、自己弁護の対応をとったことから、同社に対する非難が殺到しました。同社は12日に謝罪の声明を発表して事態の収拾に乗り出し、この乗客との「和解」が成立しました。ともあれ、ソーシャルメディアによる情報拡散のスピードと影響力は特筆すべきものです。サウジアラビアの国営石油会社AramcoのIPOの準備を進めている関係者は、同社の企業価値が2兆ドルを下回り、約1兆5,000億ドルになるとの見通しを発表しました(AppleとAlphabetの企業価値は1兆4,000億ドル)。

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