トランプ政権下の日本株投資戦略、壮大な上昇相場の始まりに

【8】矛盾の中の中国経済だが、当面の危機は回避された

小祝(丸三証券社長):次に中国経済についてもう少し詳しくお聞かせいただきたいのですが、先生は以前から世界経済や株式市場のリスク要因として中国を挙げておられます。中国経済のどのようなところをリスクだとお考えなのでしょうか。

武者:基本的に中国は、矛盾に満ちているということです。全く異なる3つの主義・思想を取り入れて国家が運営されています。ひとつが共産主義、マルクス・レーニン主義と毛沢東思想です。もう1つが資本主義、市場経済です。両方の良いとこ取りをしようということです。しかし、民主主義のない資本主義経済が本当に成り立つのでしょうか。

 それに加えて最近では、中華思想・儒教思想も持ち出してきています。中華思想をもって南シナ海や台湾、チベットの領有権を主張するわけです。これの正当化に孔子を引っ張り出してきているのですが、孔子の教えは本来、共産主義とは相容れないものですから、ここにも矛盾を感じます。

 中国は、その場しのぎので、使えるものをどんどん使っている状態です。そのため、経済にもさまざまな問題が現れてきているのですが、最も根本的な問題は、経済が投資によって成長してきたということです。投資というのはそのまま需要になりますから、経済拡大の手段としては手っ取り早いのです。しかし、投資で作ったインフラをそのまま遊ばせておくことはできないから問題が膨らんでいます。投資で成長してきたけれども、でき上がったものは、いらない設備、いらない住宅、いらないインフラということで潜在的不良債権が溜まっているわけです。

 ただし、短期的には景気の底割れが完全に回避されたので、しばらく中国の潜在的リスクが顕在化することはないと思っています。2年か3年か正確にはわかりませんが、それぐらいはもつでしょう。2015年の夏ごろには、あらゆる経済指標が悪化して、不動産開発投資でさえほぼ0%まで伸びが鈍化していました。加えて、IMFのSDRのバスケット対象通貨になるために資本移動の自由化を進めていましたから、資本の大量流出と人民元の急落の危険があったのです。

 それを中国政府は、とりあえず財政出動で乗り切りました。もちろん、財政出動で行った投資は将来の不良債権になる可能性がありますから問題の先送りにすぎません。資本移動については、今では政府のコントロール下に戻っています。

【9】欧州経済は楽観視できないが、ユーロやEUの崩壊はあり得ない

小祝:中国経済に加えて、欧州経済の不透明さも世界経済のリスクになっていると思います。2016年には英国のEU離脱が決定しました。2017年はフランス大統領選やドイツ議会選挙などが予定されており、結果次第ではユーロやEUの枠組みに大きな変化をもたらす可能性が指摘されています。先生は欧州経済のリスクについて、どのようにお考えでしょうか。

武者:確かに、欧州各国で右翼ポピュリスト政党が台頭してきていることは懸念要因です。しかし、ユーロやEUからの離脱はどの国にとっても自殺行為ですから現実的にはあり得ないと思います。ドイツなどの債権国は、ユーロが崩壊すれば巨額の不良債権を抱えることになるため、それはなんとしても避けたいでしょうし、ギリシャなど南欧の債務国は、唯一の資金調達先である欧州中央銀行を頼ることができなくなれば、破綻は避けられないと思います。

 英国がEUを離脱することができたのは、ユーロを採用しておらず、通貨ポンドがEUから切り離されていたという特殊要因と、経済が他のEU諸国向けの輸出に依存していなかったことが理由です。英国はむしろ他のEU諸国の製品を購入する側で、EU離脱によるポンド安で国内代替生産が増えるというメリットもありました。

 したがって、英国は特殊な例で、今後EUあるいはユーロから離脱する国がどんどん出てきて、欧州の混乱が加速するようなことにはならないと思っています。
 
zu11
 

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