トランプ政権下の日本株投資戦略、壮大な上昇相場の始まりに

【4】「第七大陸」で圧倒的競争力をもつ米国企業

小祝:今の米国経済のファンダメンタルズは、レーガン政権当時とは全く違うということですね。では、今のファンダメンタルズが当時よりも良い点について、もう少し詳しくお話いただけますか。

武者:最も重要な点は産業の競争力が、空前の強さを誇っているということです。この点は、ほとんどのエコノミストや経済学者は気が付いていない点だと思います。今、世界で一番成長しているところはどこかというと、地球上の六大陸の外側、私は「第七大陸」と呼んでいますが、つまり、サイバー空間です。この一番成長している「第七大陸」を誰が牛耳っているかといえば、アップル、グーグル、フェイスブックといった米国の企業なのです。最も成長しているこの「第七大陸」を、米国が半ば独占的に支配しているということが、非常に強い競争力の源泉になっています。

 我々の生活は既に、スマートフォンやインターネット無しでは成り立たなくなっていますが、それらを使うと自動的に米国企業にお金が流れていくということですから、この競争力は空前絶後だと思います。衣料品でも自動車でも一般的な商品ならば、米国から買うのが嫌だったら、ほかに選択肢があります。しかし、この「第七大陸」に関しては、米国企業なしでは何の活動もできない仕組みが出来上がっています。

 これは、既存の経済学、経済統計では捉えられない世界です。しかし、極めて重要な意味を持っているということがようやく明らかになりつつあります。ウォールストリートジャーナルは2016年11月に、2005年には約0.5兆ドルでしかなかった米国企業の海外留保利益が2015年には約2.5兆ドルにまで積み上がっていることを報じています。この利益を米国国内に還流させて、国内の投資の原資にしようということをトランプ新大統領は言っているのです。

 では、この利益を溜め込んでいるのはどこかといえば、基本的にはマイクロソフト、アップル、グーグルといったIT企業が「第七大陸」に溜め込んでいるということなのです。サイバー空間を支配している企業が、グローバルに巨額の利益を上げて、その利益が海外に蓄積されているということです。
 
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 そういったこともあって、米国の経常赤字は2006年に過去最大の8,067億ドル、GDP比で5.8%にまで膨らんでいましたが、2015年には4,630億ドル、GDP比で2.6%まで減少しています。この赤字縮小の要因を分析すると、実は財貨の貿易赤字は、約8,000億ドルでほとんど減っていません。つまり、米国人が日常生活で使うものの大部分は依然として輸入に頼っているし、自動車を始めとした輸出は増えていないということです。

 経常赤字が減ったのは、財貨以外のその他の収支、つまりサービス収支と第一次所得収支の黒字が大幅に拡大してきたからです。第一次所得というのは、米国企業が海外に投資して得たリターンですから、いずれも、目に見えないモノやサービスから得られた対価です。サイバー空間あるいは金融等から得られた利益ということです。

 米国は目に見えないモノやサービスで稼ぐ国になっていて、それがようやく、今の企業収益と国際収支統計に顕著に表れ始めたのです。5年前はまだ、こういった統計にははっきりした形で表れていなかったので、多くのエコノミストや経済学者は、サイバー空間で起こっていることに、あまり意味がないと思っていました。しかし今や、米国経済のメインエンジンになっているのです。
 
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