トランプ政治の陰の主役、強いドル ~国境税が最後の一押し、超ドル高時代へ~

●国境税創設の明白な影響はドル高

 それではその経済効果はどのようなものか、輸入が抑制され輸出が増幅されるのだから貿易赤字が減少すると考えられがちだが、1月9日のWSJ紙上で、マーチン・フェルドシュタインハーバード大学教授は、そうではないと答えている。「貿易収支は一国の投資と貯蓄のバランスで決まるのであり、国境税は直ちには投資や貯蓄には影響を与えないので貿易収支は不変である、と考えられる。とすれば国境税導入の効果を相殺する為替の変化が当然のこととして起きる事になり、20%の法人税、20%の国境税が創設されるとすれば、ドルは25%上昇するはずということになる。」そのドル高は米国の交易条件の改善(=外国通貨の実質購買力の低下)を引き起こし、その果実が米国税収の増加となって、米国の財政収支を大幅に改善させる(フェルドシュタイン氏は10年間で1兆ドルの改善と計算している)。詳細な計算は時期尚早ではあるが、現在具体性を帯びつつある国境税の創設は、ドル相場の水準に、最も大きく影響することは間違いない。

●強いドルがアメリカ一極覇権を再構築する

 そもそも新政権による税制改革、国境税創設が実現しようと実現しまいと、ドル高の基礎的条件が整えられていた。前回レポートしたように、第一は米国の経常赤字の顕著な減少=国際的ドル供給の制約が高まることによって、第二は米国の財政拡大、金融引き締めというレーガノミクスと同様のポリシーミックスによって、である。そのうえでの国境税創設となれば、予想されるドル高はより一層顕著なものになるかもしれない。ドル不足、ドル高は一段と米国の強さを際立たせるだろう。

 ドル高は米国の覇権的立場を強化したい(Make America Great Again)トランプ次期大統領にとって、必須かつ好都合の条件である。以下4つの理由により、現在はあらゆる観点から見て、強いドルが米国国益となっている。

1. 国際分業において相互補完分業が確立し、米国の独占的支配力を持つ企業が世界市場を傘下に収めており、ドル高は安く買って高く売る(=交易条件改善)ことを推し進める、

2. トランプノミクスはインフレと金利上昇圧力を高める(レーガノミクス時と類似)ので、ドル高はインフレと金利抑制に必須、

3. 強いドルは世界を買い占めるのに有利(米国多国籍企業のグローバルM&A等)、

4. 強いドルが米国のプレゼンスを一気に押し上げる(防衛支出有利に、米国の世界地位・世界GDP比シェアなどが高まる)、

 以上4要因による。

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