S&P500月例レポート (2016年12月配信)

 実際の議席数は共和党の勝利という予想外の結果となり、ホワイトハウスも共和党が掌握することになりました。上院(定数100)では共和党は選挙前の54議席から51議席に減らし(民主党は48議席、ルイジアナ州は12月10日に決選投票を行う予定)、下院でも改選前の246議席(民主党186議席)から238議席(同194議席)に減少しましたが、共和党が過半数を維持しました。終わることのない政治の世界では、選挙で勝利したトランプ氏が2017年1月20日に第45代合衆国大統領(グローバー・クリーブランド大統領が第22代と第24代の大統領を務めたため、人数では44人目)に就任しますが、これまでに8名の閣僚を指名しています。指名者の多くは議会での承認が必要となるとみられます。閣僚候補者の中で現在関心が集まっているのは国務長官で、元州知事で2012年の大統領候補者でもあり、今回の選挙期間中にはトランプ氏を公然と批判していたミット・ロムニー氏の名前も挙がっています。とはいえ、一番の注目は、2016年2月に亡くなった保守派のアントニン・スカリア判事の後任となる9人目の最高裁判事の指名でしょう。新たに指名される判事は上院での承認が必要になりますが、激しい議論が予想されます(今回の大統領選と同じくらい)。その上、大統領の交代に合わせて当局のトップも交代します。米証券取引委員会(SEC)のホワイト委員長は1月に辞任する意向を表明しており、定数5人のSEC委員のうち、残るのは2人しかいません。ジェームズ・クラッパー国家情報長官も辞表を提出しており、辞任者は今後さらに増えると予想されます。注目すべきは、United Technology(UTX)の空調部門であるCarrierがトランプ次期大統領との会談後、1,000人の雇用をインディアナ州からメキシコに移転させる計画を撤回すると発表したことです。報道では、トランプ氏が規制の見直しについて言及したとされています。さらに、「早過ぎることは決してない」懸案事項として、2018年の中間選挙では上院の改選議席数33議席のうち民主党が23議席を占め、また民主党寄りの独立系議員が2人おり、民主党の方が高いリスクを負うことになります(今回の選挙では、改選議席数34議席のうち共和党が24議席、民主党はわずか10議席でした)。市場の憶測では、共和党が優勢な州では、2018年に改選される比較的穏健な民主党議員が、議席を確保するために共和党に歩み寄る可能性が高いとみられています。トランプ次期大統領はオバマ現大統領と会談し、話し合いはうまくいったように見られています。今のところ、トランプ次期大統領は大統領候補時代とは異なる姿勢を見せていますが、この先どうなるかは分かりません。

 金融市場関係者にとっての現実に目を向けると、株式市場と富を追求する動きは息を吹き返し、金融セクターを筆頭に活発な状態が続いています。S&P500とダウ工業株30種平均(NYダウ)は選挙後に最高値を更新し(S&P500は4回、NYダウは8回)、S&P500は史上初めて2,200を上回り、NYダウも初めて1万9,000ドルを突破しました。多くの投資家にとって感謝祭の祝日を祝う結果となり、S&P500は11月に3.42%上昇し、11月としては2009年の5.74%上昇に次ぐ上昇幅となりました。しかし、この上昇相場を祝えなかった人もいます。選挙(11月8日の終値)以降、S&P500は2.77%上昇しており、中でも金融セクターは12.30%と最も高いパフォーマンスとなっています(金融を除くとS&P500は1.20%上昇)。2番目は資本財セクターですが、金融セクターから大きく水をあけられて7.45%の上昇となっています。一方で、市場が「上昇相場」に沸く中、不動産セクターは同期間に2.39%、生活必需品セクターは4.42%、情報技術セクターは0.46%、それぞれ下落しています。テーブルについていた人には十分なごちそうがありましたが、テーブルについていなかった人もいて、市場は全てを持ち上げるほどの上げ潮ではなかったということです。今回の格差はトランプ氏の大統領就任後に予想される行動に基づいたもので、現時点では乖離は収束しつつあり、一部のトレーダーや投資家がトランプ氏の実際の政策行動を見届けてから投資先(または再配分先)を考えようとしているとみられます。

 ホリデー商戦の速報値からは、実店舗の競争の激化が示唆されました。来客数は予想を下回ったとみられますが、店舗に足を運んだ人には大きな値引きがあったようです。実店舗を持つ小売企業の多くが今ではオンライン販売も行っており、オンラインの売り上げは好調が続いています。「ブラックフライデー」は今でも1年の中で最も多くの商品が売れる日ですが、最近ではブラックフライデーの前後に分散しており、オンラインでの売り上げが増えていることもあって、その日の突出は以前よりも薄れています。消費者はこの時期に多くの買い物をし、実店舗からオンラインへの移行が進んでいるという確信から、Macy’s(M)、Target(TGT)、Wal-Mart(WMT、先日、Jet.comを33億ドルで買収したばかり)などの店舗型小売企業が、Amazon(AMZN)といったオンライン小売企業から売り上げを取り戻せるかどうかに市場の関心が集まっています。

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> ETF/REIT> S&P500月例レポート (2016年12月配信)