2016年11月1日時点での主要市場見通し

・足元の日本株の上昇や米ドル高・円安は、しっかりとした裏付けを欠いているように感じられる。日本株を買い上げた主体は外国人投資家の株価指数先物買いであるとみられ、その多くは短期筋であると推察される。また、日本の株価と米ドル円相場の相関の高さに基づいた投機筋が、日本株買い・円売りのポジションを積み上げた可能性もある。

・加えて、現時点では、まだ米大統領選は終わっていない。クリントン候補のメール問題(国務長官在任時に、機密漏えいの恐れがある私的メールを、公的な通信に用いた疑い)を再捜査すると、FBIが公表し、同候補の支持率が低下したが、依然としてクリントン候補勝利の可能性が高いだろう。ただ、選挙が終わってみるまでわからない、といった手控え心理が、当面は強まると懸念される。

・しかし11月で、米大統領選は終了し、国内企業の収益も、10~12月期以降は、前年比でみた減益幅が縮小に向かうと予想されている。内外株価や外貨の対円相場は、今後も引き続き波乱を交えながらも、基調としては、世界的な景気の持ち直しに沿った、緩やかな株高・外貨高が、優勢となってこよう。

・中長期的な来年のシナリオ(基調並びにリスク)については、次号(2016年12月号)で予想期間を2017年12月に延長する際に、整理して述べたいが、以下簡単にまとめると、まず世界全体の景気は持ち直しを持続すると期待される。世界全体の実質経済成長率は、IMF(国際通貨基金)の10月時点の見通しによれば、2015年3.2%→2016年3.1%→2017年3.4%と、底固く推移すると予想されている。

・先進国においては、米国景気の安定性は損なわれていない。連銀は慎重な利上げペースを守ると予想され、短期金利は景気回復に沿った落ち着いた上昇を示すだろう。そうした緩やかな短期金利上昇が、米株価の堅調さを損なうとは見込みにくいが、長期金利が市場の思惑などから跳ね上がり、短期的に株式・外為市場に波乱をもたらす恐れがある点は、引き続き要注意だ。

・欧州経済は低成長から脱することは難しいが、ECBなどが緩和的な金融政策を持続すると期待される。現在テクニカル面から検討されている量的緩和(買い入れる債券の範囲を広げるなどの検討を行なっている)は、期限とされている来年3月以降も延長され、欧州景気の下支えとして働こう。加えて、ドイツ銀行の7~9月期の収益が黒字であったことから、欧州銀行の経営不安は今のところ後退している(今後、個別行の破たんがない、と考えているわけではない)。

・日本は外需が円高や新興国経済の減速などで打撃を受けるなか、これまでは内需が相対的に好調な形で、経済が支えられてきた。これが、外需部門については、今のところ円高進行に歯止めがかかったことや、国際商品市況の下げ止まりによる資源国を中心とした新興諸国経済の底入れなどから、輸出数量は前年比で戻り歩調を強めている(図表3)。

(図表3)
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・一方、内需は、個人消費が消費者マインドの停滞によりデフレ的な様相(低価格品へのシフト)を帯びていることに加え、外国人観光客による「爆買い」の縮小(GDP上は輸出となる)などにより、停滞色を足元強めている。

・しかし、常用雇用者数の伸びをみると(図表4)、これまで伸びが低かった一般労働者(正社員、派遣社員など)の増勢が強まっており、雇用面の改善がうかがえる。円高に歯止めがかかったことなどから、消費者の景気先行き不安も薄れ、マインドが徐々にではあろうが改善していくと予想されることから、個人消費が盛り返してくるものと期待できる。

(図表4)
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・新興諸国経済は、中国の経済成長率は高水準ながら、引き続き減速が続くと考えられる。ただしこれは、過剰設備の解消には必要な調整とも言える。一方、資源価格の下げ止まりから、ブラジルやロシア等の資源諸国は景気の昀悪期を通過しつつあり、再度成長力を高めるには時間がかかろうが、新興諸国景気の持ち直しが全般に見込まれよう。

以上、シナリオの背景。
このあと、前月号(2016年10月号)見通しのレビュー。

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