天地人が揃った、日本の負のバブル是正大作戦 ~アベノミクス第二弾の株高が始まった~

(3) 完全雇用など日本のファンダメンタルズ順調、日本株式大上昇局面へ

超悲観の市場心理は急騰の前兆

 これまで世界株高進行にも拘わらず日本株式投資家は極端なリスク回避姿勢にあった。その顕著な例が裁定買い残の歴史的な水準までの低下であり、人々は極端に日本株投資を毛嫌いしてきた。しかし、図表6に見るように過去歴史的な水準に裁定買い残が低下した直後には、必ず株式の大きな反発がもたらされている。ファンダメンタルズが悪くないのに、人々は過度の悲観論にとらわれているということであるから、これから先の株価反発の需給条件は整えられているということである。
 
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20年ぶりの復元、GDP>金利

 日銀の新金融政策を成功させる条件が整っている。前回レポートしたことであるが、最も重要な基礎は、経済の実勢である名目GDP成長率と、そのコストである名目長期金利の関係であろう(名目成長率と名目金利の関係は、実質成長率と実質金利との関係と同義である)。図表7に見るようにアベノミクス/量的金融緩和導入前と、後とでは全く変わっていることが明らかであろう。アベノミクス前の20年間(1992年から2012年まで)は金利>GDP成長率の関係が続き、金利(=信用)が経済成長の制約要因であったことが明らかである。しかし2013年以降、両者の関係はGDP成長率>金利とはっきりと逆転し、金利(=信用)が経済の促進要因になっていることが明らかである。この関係が持続できれば、リスクテイカーが報われ経済は拡大好循環に入っていくだろう。
 
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 ちなみに健全な信用創造が続きデフレに陥っていない米国では、リーマンショックの一時期を除きGDP>金利という関係が維持されている。日本と米国の経済の地力に対する金利の水準が著しく異なっていたことが、日本のデフレの原因であったとすれば、その原因はすでに解消されている。2013年以降3年間続いたGDP>金利の関係が持続できれば、リスクテイクマインドの復元とリスクテイクの果実の好循環を定着させることができる。

ファンダメンタルズ、すべてが上向きに

 そのもとで、ファンダメンタルズが着実に改善している。2013年以降雇用者数は増加、労働需給はタイト化し、ようやく賃金上昇が定着し始めている(図表9、10)。不動産需給も改善し、賃料が値上がりする局面にある。企業収益も円高一巡により堅調が見込まれる。28兆円の財政出動、中国経済の小康状態化、商品市況の底入れ、世界貿易の底入れと緩慢な回復、米国経済の堅調、等の環境の下で日本の実質GDPの1%程度までの回復はエコノミストのコンセンサス(ESPフォーキャストでは0.9%)となっている。

 また円高一巡、原油価格上昇により一時的にマイナスとなったCPIが2017年には1%程度まで回復することもほぼ見えている。

米新大統領の下での地政学も追い風に

 依然として為替市場では円高論者が多数派であるが、円高論者の多くが日本株に悲観的な見方をしている。しかし仮に日本株高が始まれば、それはリスクテイクの円安要因となる。加えて前回レポートしたように、次期米国大統領は地政学理由から過度の円高を受け入れないということを合わせると、ここ10か月余りの円高は終焉したと考えられる。
 
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