S&P 500月例レポート(2016年9月配信)

 各国中央銀行の動きを見ると、オーストラリア準備銀行が0.25%の利下げを行い、政策金利は過去最低の1.50%となりました。日銀は予想された通り、安倍内閣の約2,740億ドル(28兆1,000億円)の経済対策と足並みをそろえる姿勢を示し、ドル円レートは1ドル100円に近付きました。イングランド銀行は0.25%の利下げに踏み切り、政策金利は0.25%となりました。利下げを行うのは2009年以来で、0.25%という金利水準は322年に及ぶ同行の歴史の中でも最低です。2016年7月26~27日開催のFOMCの議事録には、経済リスクが均衡し、利上げができる状況になったとの見方が示されていましたが、インフレや企業の設備投資の不足などに関する懸念は残っているようでした。メンバーの多くが利上げを行っても問題はないとの感触を持つ一方で、より多くのデータと幅広い合意が必要であるとの考えを示していました。利上げ時期については、市場は依然として、9月には実施されず、12月の確率も50%未満とみています。議事録の公表を受け、相場は上昇しました。ジャクソンホールでのイエレン議長の講演は、発表される経済データ次第というFOMCの結論を踏まえ、状況には改善がみられるが、そうでない部分もある、という両方の観点から語られました。それに対し、ニュースがないのはやや良いニュース(特に、たとえゆっくりでも、状況の改善が続いている限り)というのが市場の結論でしょう。

 経済関連では、Markitが発表する英国の建設業の購買担当者景況指数(PMI)は、6月に46.0に落ち込んだ後、7月にはさらに45.9まで低下しました。これは、2009年以来最も低い水準です。英国の2016年第2四半期のインフレ率は、第1四半期の0.5%を上回る0.6%の上昇となりました。また、4-6月期の失業率は、予想通り前回(EU離脱を決めた国民投票前の3-5月期)と同じ4.9%でした。英国の7月の小売売上高は1.4%増でした。英ポンドの下落が一役買い、売上高の増加が英国株と英ポンドの上昇に寄与しました。ドイツの6月の製造業受注指数は前年同月比で3.1%の低下となり、マイナス1.4%だった予想をさらに下回る結果となりました。ドイツの第2四半期国内総生産(GDP)は貿易の伸びが寄与して前期比0.4%増となりました。また、8月のIFO企業景況感指数は106.2と予想の108.5に届かず、7月の108.3を下回る結果となりました。中国の7月の貿易統計は、輸出が前年同月比4.4%減、輸入は12.5%減、貿易収支は523億ドルの黒字でした。中国の7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.8%の上昇(政府目標は3.0%)となりました。中国の7月の住宅価格指数は、刺激策の効果で前年同月比7.9%上昇しました。日本の第2四半期GDP成長率は前期比年率0.2%となり、2.0%だった第1四半期から大幅に減速しました。日本の7月の輸出は前年同月比で14%減となり、10カ月連続の減少を記録しました。また、輸入は24.7%の落ち込みを示しています。

 米国経済関連では、6月の貿易統計で貿易収支が445億ドルの赤字となり、赤字額が430億ドルの予想を上回りました。また、輸入は前月比1.9%増、輸出は0.3%増となりました。7月の輸入物価は、前月比0.1%上昇(予想は0.4%低下)、前年同月比では3.7%低下しました。輸出物価は前月比0.2%上昇、前年同月比では3.0%低下でした。7月の製造業PMIは52.9で、6月の51.3から上昇しました。7月のサプライ管理協会(ISM)製造業景況指数は、前月横ばいの53.2が予想されていましたが、52.6に低下しました。第2四半期のGDP速報値が予想に届かなかったことによる懸念から、同指数への注目度が高まっていました。7月のISM非製造業景況指数は55.5となり、6月の56.5と予想の56.0をともに下回る結果となりました。7月のサービス業PMIは前月横ばいの51.4でした。6月の建設支出は、前月比0.6%増の予想に対し、0.6%減となりました。また、前月比0.8%減だった5月の数値が0.1%減に上方修正されました。6月の製造業受注は前月比1.5%減少し(予想は1.8%の減少)し、前月比1.0%減だった5月の数値が1.2%減に下方修正されました。第2四半期の非農業部門の労働生産性は、前期比0.5%の上昇が予想されていましたが、0.5%の低下となりました。単位労働コストは、予想(1.8%上昇)を上回る2.0%の上昇となりましたが、当初4.5%の大幅な上昇とされた第1四半期の数値は0.2%の低下に下方修正されました。6月の卸売売上高は、前月比横ばいの予想に対し0.3%増でした。前月比で横ばいだった5月の数値は0.2%増に上方修正されました。6月のJOLTS(求人労働移動調査)求人件数は予想を上回り、550万件だった5月と同水準との予想に対し、662万4,000件でした。7月の生産者物価指数(PPI)は、前月比0.1%上昇の予想に対し0.4%の低下、前年同月比では0.2%の低下となりました。7月のCPIは前月比横ばいで、予想と一致しました。前年同月比では0.8%の上昇となりましたが、予想には届かず、FRBの期待に沿う水準ではありませんでした。食品とエネルギーを除くコア指数は0.2%上昇の予想に対し0.1%の上昇で、前年同月比では2.2%の上昇となりました。前月比0.4%増が予想された小売売上高は横ばいにとどまり、自動車とガソリンを除く小売売上高は前月比0.1%減となりました。鉱工業生産指数は予想を上回り、前月比0.3%上昇の予想に対し、0.7%の上昇でした。一方、0.6%上昇だった6月の数値は0.4%低下に下方修正されました。設備稼働率は、6月の75.4%から75.9%に予想以上の上昇を示しました。7月の景気先行指数は、6月(0.3%の上昇)を下回る0.2%の上昇が見込まれていましたが、前月比0.4%上昇しました。7月の耐久財受注は前月比4.4%増となりました。予想は3.7%増でした。また、前年同月比では依然マイナスで、3.3%減となっています。米国の第2四半期GDP成長率の改定値は、先月発表された速報値の1.2%から1.1%へ下方修正となり、予想と一致しました。確報値は9月29日に発表される予定です。7月の貿易統計は、輸出が2.4%増、輸入は1.3%減となり、貿易収支は593億ドルの赤字となりました(貿易赤字の事前予想は632億ドル)。7月の卸売売上高は横ばいで、第2四半期の企業利益は前年同期比で2.2%減少しました。7月の個人所得は事前予想通りの前月比0.4%増となり、当初0.2%増と発表された6月の数値が0.3%増に上方修正されました。個人消費は前月比0.3%増で、予想と一致しました。7月の個人消費支出(PCE)価格指数は事前予想通りの前月比横ばいで、前年同期比では0.8%上昇となりました。また、食品とエネルギーを除くコアのPCE価格指数は前月比で0.1%上昇し、前年同期比では1.6%の上昇となりました。8月の消費者信頼感指数は、97.3の予想を大きく上回る101.1でした。

 住宅関連では、米連邦住宅金融局(FHFA)発表の6月の住宅価格指数は、前月比0.3%上昇の予想に対し、0.2%の上昇となりました。これは、5月と同じ水準です。また、前年同月比では5.6%の上昇となりました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で5.1%上昇しました。予想をやや下回ったものの、依然として堅調な上昇を示しています。7月の住宅着工件数は年率換算で121万戸と、前月比2.1%の増加となりました。市場予想は118万戸、6月は119万戸でした。一方で、住宅着工許可件数は年率換算115万戸と、前月比0.1%の減少となりました。7月の新築住宅販売件数は12.4%増と予想を上回る伸びを見せ、年率換算65万4,000戸となりました。これは、58万戸が見込まれた2007年10月以来、最も高い水準です。6月は58万2,000戸でした。7月の中古住宅販売件数は、年率換算552万戸の予想に対し539万戸で、前年同月比1.6%の減少となりました。6月は557万戸でした。7月の中古住宅販売仮契約指数は、市場予想の0.6%を上回る1.3%の上昇となりましたが、前月比0.2%上昇だった6月の数値が0.8%低下に下方修正されました。

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