世界的イールド・ハンティングが日本株に向かう可能性大 ~中国危機封印なら、アベノミクス相場第二弾入りの公算も~

政権の異例のコミットメント
 政策当局による株価押し上げイニシャティブにも大きな期待が持てる。日銀によるETF買い入れ倍増(3.3兆円から6兆円へ)、金融庁などの主導による貯蓄から投資への資金誘導(GPIFやゆうちょ銀行、かんぽ生命など公的機関投資家の改革による)、は株式域需給を大きく変化させるだろう。年間6兆円の新たな買い主体の登場は、外国人売りが一巡した後は大きな株高要因となるだろう。8月30日には菅官房長官によるロイターにおける国際投資家に対する異例の政策説明会が開かれ、安倍政権の株式などリスク資産投資と為替安定に対する強いコミットメントが示されたことも、潮目の転換を促すだろう。

 株式需給における当局の役割の増大をPKO=当局による市場操作と批判する論調も目立っているが、それは正しくない。1990年代のバブル崩壊過程での当局の株価買い支え(PKO)は、収益悪化により価値を失った株式の値段を押し上げようという非合理的なものであり、成功するはずのないオペレーションであった。それに対して現在の当局のイニシャティブは、収益回復により価値を高めている株式を評価できていないという市場価格の非合理性を是正しようとするものであり、成功するオペレーションである。かつてヘッジファンドは当局のPKOに売り向かったが、今回はそれが無謀であることは論を待たない。筆者は1990年代のPKOを強く批判した当事者であるが、同じ理由によって、今回の当局のイニシャティブを強く支持したいと考える。

 後1か月ほどの短期では、日本株式のキャッチアップラリーの可能性は大きい。日経平均は18000~19000円までは上昇していくだろう。仮に中国危機の爆発が抑制され続ければ、株価はさらに上昇を続け、2020年ごろに日経平均30,000円を目指すアベノミクス相場第二弾入りの可能性も出てくるだろう。
 
zu10
 

中国危機顕在化のリスクには目配りを
 ただ上昇相場の持続性の鍵となる中国情勢に注意は怠れない。中国経済体質の脆弱化は一段と進行している。成長の3つのエンジンはいずれも深刻な状況にある。①輸出は年初来前年比4%台の減少が続いており今や牽引車どころか経済成長の足を引っ張っている。②投資(固定資産投資)は2年前の20%増から10%へと減速し7月には更に年初累計で8%増まで低下した。しかもその中身は民間企業投資が2%増と完全に失速、昨年来の金融緩和で一時的にプラスに浮上した不動産投資も再度減速(7月は5%増)、公共投資だけが20%増との高ペースだったがそれも息切れ気味となっている。投資が全分野で完全失速する場面が近づいている。③消費は小売売上高が10%増と比較的堅調だが減税と金融緩和による自動車消費の上げ底効果が効いているため、減税効果が一巡する来年には失速の懸念がある。財政拡大とともに野放図ともいえる金融緩和が続いている。2016年7月でM1前年比25%増、M2前年比10%増、家計預金前年比9%増となっており中銀信用の急拡大が広範なマネー成長に結び付いていない。金融緩和効果は住宅バブルを押し上げていること以外には空回りであることを示している。中国失速が再度顕在化すれば、資本流出・資本逃避の再発(?外貨準備の再急減)と人民元下落加速が始まり、再び世界をリスクオフの流れに引き戻す可能性を念頭に置いておくべきである。

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> 市場解説・相場展望> 世界的イールド・ハンティングが日本株に向かう可能性大 ~中国危機封印なら、アベノミクス相場第二弾入りの公算も~