2016年8月1日時点での主要市場見通し

(図表3)
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・中国経済の動向については、豪州から中国向けの輸出額から推し量ると(図表3)、今年1月を底に、持ち直しを続けている。もちろん、このまま増勢が続くとは期待しがたいが、中国経済が著しく悪化し、それが世界の経済を引きずり込んでいく、という悲観的なシナリオは成立しがたいだろう。

・とは言っても、中国政府の「作戦」は、内需・輸出を種々の政策で支え、大規模で急速な景気悪化は回避しながらも、景気減速自体は容認し、その間に重厚長大型産業(鉄鋼、セメント、石油化学など)の過剰設備の廃棄や、バブルの火種になりそうな分野(都市部の不動産価格や、理財商品に代表されるシャドーバンキングの膨張など)の沈静化といった、構造調整を押し進める、というものだ。そうした構造調整の期間(今後3~5年?)においては、中国株は上昇が期待薄(暴落もしないだろうが)であり、中国株への投資は薦めない。また、中国の需要に過度に依存した他国のセクター(たとえば日本への中国観光客によるブランド爆買いばかりを頼りにした小売業など)も、今後数年間は収益が厳しいままとなろう。

・日本については、市井の景況感は著しく悪化している(図表4)。景気ウォッチャー調査の現状判断DIは、2014年の消費増税後の昀低値を割り込み、2012年 11月(景気の谷)以来の低水準となっている。

(図表4)
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・だからこそ、景気対策が打ち出されるわけだ。金融政策については、7月の日銀金融政策決定会合では、株式ETFの買い入れ増のみが打ち出され、9/20~21の次回会合で、これまでの金融政策の効果が総括されることになった(その結果、当然、追加緩和が同時に行なわれよう)。このため、8/2(火)の政府の経済対策発表から9月の日銀の追加緩和にかけて、政府・日銀の協働による景気支持という思惑が延命され、9月辺りまでは、国内株価が堅調推移するものと期待される(その間、いわゆる「リスク回避のための円高」も沈静化しよう)。

・しかしその後は、安倍政権の関心は、経済から安全保障・憲法改正に向かうものと見込まれる。加えて、日銀の撃ち出す弾にも「限界感」が強まってくるだろう。前述したような、市井の景況感の悪化、一部デフレ心理の再燃を覆すのには、相当のエネルギーが必要だ。本来その役目は、アニマルスピリッツにあふれた企業家が担うべきだが、特に大企業を中心に、投資や新たなビジネスの開拓に慎重で、政府・日銀の政策発動、あるいは円相場・海外経済といった環境の好転を、手を合わせてお祈りしているように見受けられる。

・円相場も、一旦は米経済の堅調さを評価した米ドル高が期待されるが、11月の米大統領・議会選挙に向けては、内向きの空気が強まり、再度の米ドル安・円高が生じると懸念される。

・こうした点から、世界的な株高・外貨高の流れを長期的に見込むものの、秋口から年末年始にかけては、特に日本株と米ドル相場については、一旦日本株安と米ドル安・円高に振れると懸念しているのである。

以上、シナリオの背景。
このあと、前月号(2016年7月号)見通しのレビュー。

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