米国発近隣窮乏化政策の危険

米国の一方的ルール設定、米国発の近隣窮乏化の懸念
 こうした動きは米国ルー財務長官の「競争的通貨切り下げを回避する」と言う主張とは裏腹で、米国こそが日本に対して通貨切り下げ競争を挑んできているとも解釈できる。米国によって事実上通貨介入をけん制された日本政府は投機に対して無防備になり、窮地に陥っている。為替介入がGDP比2%という上限は、今後介入に動くとしても10兆円程度の介入余地しかないことを意味し、投機筋を勢いづけ円急騰が止まらない可能性もある。そうなると円高株安の悪循環は自己実現的に強化され、日本株の下落は底が見えなくなる。

 こうした米国の通貨政策、恣意性、ルール変更(それまで暗黙の裡に成り立っていると思われた前提の変更)、は危険である。そもそも対外不均衡の責任は黒字国赤字国の双方にあり、米国は2015年4841億ドル、対GDP比2.7%と世界最大の赤字国であり、それは世界GDPの0.5%に相当する。貿易不均衡が問題と言うなら米国の巨額の赤字も諸悪の根源の一つであり、米国は過剰消費を抑制し輸入を抑え経常赤字を一掃すべき、それを促すためにはドルの暴落こそが正しい解という議論が成り立つ。しかしそれは全く米国の国益に合致しないのは明らかであろう。

 世界最大赤字、債務国の米国は、強いドルを使い世界経済と金融にビジネスネットワークを張り巡らせて世界経済基盤を著しく強化してきたのではなかったか。債務国でありながら強力な通貨を駆使し強力な対外購買力、影響力を発揮するという恩典、それを棚上げし黒字国、債権国の通貨安のみをあげつらうことは片手落ちと言わねばならない。1972年以降のドル本位制の最大の受益者は無利子の債務を積み上げる贅沢を続けてきた米国である、それは誰のおかげかという反論も当然あり得るのである。言うまでもなく対外黒字国・対外債権国はその黒字幅に比較して通貨安バイアスを持ち、対外赤字国・債務国の米国はその赤字幅に比して通貨高バイアスを持っているが、ドル本位制の下ではそれは当然のことである。ドル本位制の世界繁栄とは基軸通貨国米国が対外債務という形での通貨発行を行い、世界マネーが供給されたことによって可能となっているのである。
 
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