アベノミクスは、なぜ失敗したか?

 では、アベノミクスの「三本の矢」はどうか?

 1の金融政策における日銀は暴走気味で、財務省が抱える膨大な借金を自らが買い取ることで、国債市場を歪めている。また、マイナス金利政策では短期金利市場を機能不全にし、長期安定運用の柱となるべき国債の利回りが10年国債までマイナスとなるなどの他、貸借市場を含め、金融市場や金融機関が到底「安全、安定」で長期間維持できない政策を採っている。

 加えて、株価ETFの買い入れでは、225企業の9割で日銀が既に10位以内の大株主となっており、いくつかの企業では近いうちに筆頭株主になる見込みとだという。

 そして、黒田総裁は金融政策の効果を過信してか、財政に対しては増税という引き締め政策を促している。

 2の財政政策は、経済再建を優先するならば、減税が基本中の基本だ。ところが、消費税率を2014年4月に8%に引き上げ後、経済が明らかに減速しているにも関わらず、2017年4月の10%への再増税の既定路線を変えていない。

 つまり、景気拡大策で暴走気味の金融政策を見捨てて、財政政策は景気減速に向けて引き締めの度合を強めている。

 3の民間投資を喚起する成長戦略は、本来ならば規制緩和を通じて、民間の活力を高めることが重要だ。ところが、政府は企業や民間に数値目標を掲げてお願いするばかりで、政府自身ができる「減税や規制緩和」をやろうとしない。

 アベノミクスの「三本の矢」は、それぞれの一本一本が、同じ目標に向けて協力し合っているとは到底思えない。その結果は無残なものだ。日銀の副作用の激烈な、次元を超えた未曽有のリスク・テイクにも関わらず、主たる目的のインフレ率は未だにデフレ環境のままだ。先行きもおぼつかない。安倍首相も黒田総裁も民間ならば、少なくとも外資系民間企業ならば、とうに首が飛んでいる。

 毛利元就は天下を取れなかった。安倍晋三は天下の総理大臣となった。それで、安倍首相は「三本の矢」の教えをないがしろにし始めたのだろうか?

 政治は優先順位だ。アベノミクスが失敗したのは、安倍首相にとっての日本経済の先行きが、最優先課題ではなくなったからだ。では何が経済再生よりも大事なのか? 憲法改正だろう。安全保障と憲法とを経済再生より上に置いたために、「三本の矢」は様々な圧力に対しての譲歩を余儀なくされた。欲が弱みとなったのだ。安倍首相の真意を好意的に推測すれば、そのように見える。

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