マイナス金利下の投資マネジメント

・日本の3次元緩和(量的、質的、マイナス金利)は次にどう動くのか。5月下旬の伊勢志摩サミット、7月の参院選挙(場合によっては衆参ダブル)に向けて、4月、7月にもう1弾の手を打つ必要が出てこよう。当然、1)成長戦略をさらに練って打ち出す、2)財政の出動を促す、3)金融の3次元緩和をさらに進める、ということがありえる。これで景気が目に見えてよくなればよいが、そうとも言えない。何とか現状をキープするという水準にとどまろう。来年4月の消費増税の実施も、本当にやるのかが改めて問われよう。目先のバランス確保が長期の食い潰しになる、という悪しきパターンが進むかもしれない。

・家計の消費、企業の設備投資、投資家の金融投資はいずれも先行きの期待に依存する。賃金、企業業績、株価水準など、実績のデータがよい方向に向かえば、人々は自信を持つ。加えて、先行きへの期待が実現に向かう兆候(シンプトン)が出てくれば、さらに安心感が広がってくる。しかし、期待だけが先行して行き過ぎれば、それはバブルになりかねず、何らかの弾みで一気にしぼんでしまう。インフレ期待(消費物価2%)はまだ実現していない。よって、人々は様子を見ている。

・マイナス金利は、実質金利が下がるという点で、実効性がある。住宅ローン金利は下がってきた。ローンの借り換えは起きている。まだ新規の住宅をどんどん買うというほどではない。借りた金は返す必要があるので、将来の所得に自信のもてる人しか動けないからである。

・一方で、銀行の業績は、マイナス金利の影響で下がってくる。今までのように金利で稼げない分は、別に貸し出しを増やすか、投資をする必要がある。今までよりもリスクをとって稼ぐ必要がある。そうでなければ、稼げない分はコストを下げる必要があり、これまでよりも貸し倒れリスクを下げて、リスクをとらなくなるかもしれない。信用リスクの低減に入ると銀行の再編を促し、中小企業のファイナンスにブレーキがかかるかもしれない。

・企業はお金を借り易くなる。もし規律が緩めば、リスクを気にせず儲からない投資に資金を投入してしまう。ベンチャー投資やプライベートエクイティ投資で、リターンを上げようとして、実損や減損が拡大するかもしれない。よって、事業ポートフォリオの厳格なマネジメントが求められる。M&Aの活発化と共に、事業のイグジット(出口)戦略が注目され、コーポレートガバナンスの実効性も問われよう。

・金融投資は利回り指向を一段と強めよう。リート投資、不動産投資、インフラファンド投資などが、すでに注目されている。配当利回りに期待して、増配や自社株買いがますますと活発化しよう。一方で、リターンの見直しも必要である。一般的に、リターンはリスクフリーレート+リスクプレミアムで決まる。リスクフリーレートを10年ものの国債として、それが妥当なのかが問われる。どんな金融商品にもリスクはあるということを再認識して、改めてポートフォリオを組む必要がある。

・企業価値は、財務的に将来キャッシュフローの現在価値と定義されるが、ディスカントレート(割引率)をどのように定めるのか。このディスカウントレートを再検討することが求められる。企業の年金債務はどうなるのか。確定給付型年金の利回りはどのように設定するのか。2.5%の利回りは本当に達成できるのか。今後企業の負担が増えてくる可能性がある。企業経営におけるリスクについて、全面的に見直す必要があろう。投資家としても、マイナス金利下の資産運用について再検討が必要であり、守りはもちろんだが、新しい攻めの投資戦略を考えていく局面を迎えている。
 

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