金利について

A3:マイナス金利政策の目的は「円安誘導」だったと思います。前例とした欧州中銀がマイナス金利を導入した2014年6月からは、ユーロ安となりました。また、低金利通貨から高金利通貨に資金が流れることは経済合理的な動きで、利下げは通貨高対策(=通貨安誘導)の1つとして、広く認識されているからです。
 
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 失敗したのは、 金融緩和の限界を露呈してしまったからだと見ています。

 黒田発言は二転三転し、市場で同氏の発言を真に受ける人は少数派になっていると思われます。現状では、2月16日から導入したマイナス金利を、今後増える当座預金の増加分、あるいは銀行の現金増加分に適用するとしているはずなのですが、それだと来年初めには、約75兆円(2015年の当座預金増加分)にマイナス金利が適用される可能性があります。

 これで銀行株が売り込まれたためか、あるいは銀行が日銀の量的緩和80兆円に付き合ってくれなくなると恐れたのか、当面は10兆円、最大でも30兆円にだけ、マイナス金利を適用するとしました。私自身、どちらを信用してよいか分からず、どうせまた変更されると見ています。

 (施行開始2月16日時点のマイナス金利適用分は23兆1940億円だった。最大はゆうちょ銀行や大手信用金庫などが対象の「その他の準備預金制度適用先」で12兆2560億円。次いで外国銀行4兆0930億円、信託銀行2兆3410億円、短資会社など「準備預金制度非適用先」2兆0040億円、都銀1兆6310億円、地銀6250億円、第二地銀2440億円。)

 そこで投機筋は円買いを再開、日銀の次の動きを探りに出ました。そして、日銀から「マイナス幅拡大も辞さない」という言葉を引き出しました。とはいえ、ゆうちょ銀行を含む銀行などの金融機関、また年金運用や預貯金者への悪影響を鑑みると、場当たり的で、とても熟慮した発言とは思えません。

 例えば、ゆうちょ銀行の運用資産は2015年末時点で70.1%が有価証券です。これでも3月末の75.8%から大きく減少しました。とはいえ、外国証券は増やしており、最近の円高の直撃を受けています。また、26.8%が預金及び短期運用資産です。これは3月末の21.0%から増やしました。ところが、当座預金には上記の額にマイナス金利が適用され、短期運用資産であるMMFは、マイナス金利政策で市場が消滅状態です。ここからのマイナス金利幅の拡大はゆうちょ銀行や、年金運用のGPIF「いじめ」か、とさえ思われるほどです。

 マイナス金利政策は運用難から、0.1%の金利目当てに日銀の当座預金に資金を預けていた銀行の選択肢を更に狭めます。ゆうちょ銀行が定額貯金の集中解約に対して手を打たないと明言したように、運用難から預貯金もいらないとなってきています。つまり、銀行がその本業では生きていけない時代となりました。

 このことは、信用リスクから本来ならば貸し出さないところに貸し出す。よりジャンクなハイイールド債を買う。高金利通貨で勝負する。株式投資を増やす。不動産投資を増やす。商品市場で勝負するなどなど。つまり、マイナス金利は銀行のファンド化を促すものです。

 ゆうちょ銀行の資金運用は上記のように、銀行のものというよりは債券ファンドに近いものでした。今後は、ハイリスク・ファンドに変わるか? 貯金残高の減少に任せて、組織自体が自然消滅するか? 生き残るには、どうすればいいのでしょうか? 年金運用も大同小異ですが、こちらは株式投資と外貨投資拡大で乗り切るしかないと思います。

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