新三本の矢はどこに~グローバル経済変調の中で

・一方で、デフレマインドの払拭はまだ十分でなく、円安で食料品等は値上がりしており、消費税の負担が重くなったので、生活実感は必ずしも改善していない。企業においても、もっと輸出が拡大し、設備投資を増やすという従来型の展開は思うように進んでいない。経済構造の変化が生じているからである。

・2015年9月の自民党総裁再選を踏まえて、安倍首相は、アベノミクスを第2ステージに移すと宣言した。第2ステージでは、1)第1の矢:希望を生み出す経済(GDP 600兆円の達成へ)、2)第2の矢:夢を紡ぐ子育て支援(出生率1.8へ)、3)第3の矢:安心につながる社会保障(介護離職ゼロへ)によって、「日本1億総活躍社会」を目指すことにした。

・第1ステージの時よりも、政策が具体化したといえるのか。黒田バズーカによる大胆な金融緩和は、今後ともいつでもありえよう。1月末のマイナス金利導入はサプライズであったが、効果は十分だろうか。機動的な財政政策もいつでもありうる。これまでは大震災対策も含めて手が打たれてきたが、今後とも景気テコ入れには常套手段となりうる。しかし、財政赤字が常に制約となる。とすると、引き続き問われるのは成長戦略であり、そのための大胆で具体的な新政策や規制見直しがほしい。

・今回の3本の矢で、株価は上がるのか。たぶん上がらないとみる。なぜなら、第2ステージのお題目は、矢(戦略)ではなく的(目標)であって、実際にどうするという手立てがはっきりしていない。企業の経営戦略でいえば、抽象的な目標に対して、目標を3つに細分化しただけであって、それをどのように達成するかはこれから肉付けしていくという話である。

・多くの上場企業が新しい中期計画を発表しても、通常株価は上がらない。その中期計画がお題目に留まっている可能性が高く、結局のところ実行して成果が出始めないと投資家は信用しないからである。

・GDPを600兆円にもっていく手立てはある。出生率を1.8まで高める方策もありうる。介護離職をゼロにすることも可能である。しかし、次の3カ年を現状の延長でみれば、とても実現しそうにない、と誰もが思ってしまう。それを覆して、実行力を見せるのが政治家の本来の仕事である。実行の道はいくつもありうるが、そこには利害の対立が生まれ、進行の妨げも出てくるので、なかなか思うようにはいかない。

・これからの日本にとって、はっきりしていることがある。1)高齢化社会を乗り切るためには、元気な限りいつまでも働くことのできる場を用意して、働いた人にはそれなりの報酬があるようにする、2)少しでもやりがいのある働く場を生み出すように、人材の生涯教育に力を入れていく、3)1人当たりの生産性を高めるような新しい高付加価値産業を育てていく、4)海外から移民を入れて、その子供たちは日本国籍人として平等に育てる、5)優秀な日本人をグローバル人材として育てる、ことである。

・これらを推進する戦略を打ち出して、「新しい価値創造国づくり」を目指してほしい。人材、ナレッジ、テクノロジー、金融、インフラ・ファシリティ、環境において、国として、企業として、国民のライフスタイルとして、新しい価値創造モデルを構築すべきであり、できる蓋然性は高い。

・日本企業はいかに収益力を高めるか。それには、①ビジョン(経営者の経営力)、②中期計画(事業の成長力)、③ESG(会社の持続力)、④突然の下方修正(業績のリスクマネジメント)に対して、組織能力をしっかり高めることが必須である。多くの上場企業には十分可能である。ROE 12%のクリアをぜひとも実現してほしい。そうすれば、日経平均で3万円がみえてくるからである。
 

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

1 2

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> その他> 新三本の矢はどこに~グローバル経済変調の中で