・米ドル円相場については、日本に近い中国において、景気悪化や株価下落に対する懸念が強まっても、「リスク回避のための円高」として円が買われたのは、やはりやり過ぎであったと言える。欧米でリスクが発生し、欧米から日本への資金逃避が起こることで、米ドル安・円高、ユーロ安・円高になることは、全く不思議ではない。しかし中国(あるいは北朝鮮の核実験など)のリスクで、遠く離れた欧米から日本にリスク回避のための資金逃避が起こる、というのは、全く的外れだ。この点で、円が買われ過ぎであったと言える。
・また、シカゴ先物市場における円の売り残・買い残の動向をみると(図表2)、安倍政権始まって以来初めての円の買い残超(グラフはマイナス)となっている。この点でも、円買いが行き過ぎており、むしろその先、円の売り戻しが進むことが示唆されていたと言える。
・1/29(金)に、日銀がマイナス金利の導入を発表し、そこから内外株高・外貨高(対円)が進んだが、その本質は、マイナス金利の導入が、実体経済などに対して大変効果がある、ということではなく、述べたような株価や外貨の売られ過ぎが剥落に向かったことだ、と考える。
※2 日経平均株価とTOPIXが同率変動するという仮定を置いている。
(図表2)