鍵は中国「毒」の伝染遮断、資本規制だ

新関:それが世界株安の底入れとなるのでしょうか。株価底入れの条件は何かお伺いします。

武者:恐らくこれが起こると当面世界の株式の大きな底入れとなると思います。その後、鋭角的な株価上昇が起こる可能性があり得ると思います。今年に入ってからの世界同時株安の原因は何かということを考える必要があります。私は端的に言って世界株安の原因は、中国が原因であるにせよ、原油が原因であるにせよ、世界が再びリーマンショック並みの深刻な同時不況に陥ると言う仮説が何となくもっともらしくなって、それをマーケットが織り込もうという動きだったと思うのです。勿論、そのような悪材料、暗いシナリオを一生懸命宣伝してマーケットを売り崩そうという投機筋のかなり組織的な動きがあったことも明らかだと思います。従って必要なことはリーマンショックのような世界同時不況が絶対起きないのだという確信を持たせることです。そのような確信がはっきりすれば株安が終わって今度は逆に大きく上昇に転ずることになるわけです。

 それでは、いったいどういう条件がそのような世界同時不況を否定するかということになりますが、私は三つしかないと思います。第一は実体経済が明らかに良くなることです。中国の経済が深刻化しても、先進国(アメリカ、ヨーロッパ、日本)の経済は大丈夫なのだと明らかになること。これは様々な指標や企業業績の発表などでいずれ明らかになっていくと思います。しかし、それは非常に緩慢であり時間がかかると思うのです。そのような景気がよくなる指標がでてくる前に、株価が底割れするとか人民元が大暴落することになると、景気が実際に良くなるよりも先にマーケットの悪化によって今度は景気が腰折れをする可能性が出てきます。従って短期的には、景気実態や企業業績によって株価が底入れをするという期待は持つことができないと思います。

 二つ目の条件は先進国が不退転の決意で景気を底割れさせないという政策を打ち出すことです。まず日本は第三弾の量的金融緩和を打ち出すこと。それから財政をどんどん増やすこと。それから2017年に予定されている消費税増税を棚上げすることです。この三つを打ち出せば日本株に限っていえば非常に大きなリバウンドをもたらす可能性はあると思います。しかしこれは日本だけの話なので、日本だけでやっても力不足。やはり同じような政策をアメリカ、ヨーロッパの先進国が協調して打ち出す必要があります。アメリカでは利上げを延期するとか、最悪の事態に備えて量的金融緩和の第四弾を打ち出すなどやれば雰囲気はがらと変わると思います。ヨーロッパではドラギ総裁が3月に再度の量的金融緩和を打ち出すことを示唆しましたけど、そのようなことが同時に行われる必要があると思います。つまり先進国の協調的な政策対応。これが二つ目に状況を劇的に変える条件です。

 三つ目に状況を劇的に変える条件はやはり中国だと思うのです。様々の問題の根源は中国にあるので、中国がしかるべき手を打てば状況は劇的に変わると思います。第一は景気対策です。しかしこれはいろいろやっているけれどなかなか実効が伴わない。景気の完全な底入れ転換はあまり期待できない。となると中国は今可能な最も重要な政策は何かというと正しく資本規制です。資本規制をやって、国内の金融緩和が世界の人民元安に結び付かないということを明確にすれば、投機筋のマーケットの売り崩しは完全に経路を遮断されると思うのです。中国の資本規制強化が三つ目の大きな転換点になり得る条件です。

 もう一度言います。実体経済の好転。これは時間かかって当面期待はできない。二つ目、先進国の大胆な同時、協調的なテコ入れ政策。これはあり得ると思います。三つ目は中国の資本規制。この三つのうちどれかが顕在化すればマーケットは大きく転換し得ると思うのですけれど、可能性としてかなり早いと思われるのは中国の資本規制。これが打ち出される可能性がでてきた。こうなるとマーケットの底入れはそう遠くない将来に実現する可能性があるということだと思います。

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