個人投資家説明会で何を訴えるか~富士フイルム、神戸製鋼、リクシル、JT

・JTは、現在、たばこ事業を世界120カ国で展開し、世界第3位の地位に伸し上がった。まさに大型M&Aの成功企業として注目される。買収した企業のブランドをさらに育てているところが、他のトップたばこ企業と違うところである、と宮崎副社長は強調する。

・利益の5割は海外から稼いでいる。過去14年の利益成長率は年率11.7%であったが、そのうちの3分の2は海外からの貢献であった。

・また、飲料事業はサントリーに売却したが、加工食品と医薬品事業には、事業の多角化を目指して力を入れている。医薬品では年間300億円のR&D費を投入してきたが、新薬を海外へ導出して、ロイヤリティを得るというビジネスを志向している。このロイヤリティ収入が来年度にはR&D費をカバーするところまでこようとしている。

・加工食品では、テーブルマーク(旧加ト吉)、サンジェルマン(ベーカリー)、富士食品工業(天然素材調味料)などを抱えて伸長を図っている。

・主力のたばこ事業は、グローバルにまだまだ成長できるとみている。M&Aは究極の人材獲得戦略であると位置付けて、引き続き大型から小型までさまざまなM&Aに力を入れていく。1999年のRJRインターナショナル(投資額0.9兆円)、2007年の英国ガラハ(同2.3兆円)始め、2015年米国のロジック(電子たばこ)、2016年ナチュラル・アメリカン・スピリッツの米国外事業と、11件のM&Aを手掛けている。

・海外での国別ポジションをみると、ロシアで1位、英国でほぼ1位、フランス、トルコ、スペインで3位となっている。まだシェアが5%以下の国が数多くあるので、そこに集中投資して、逐次シェアを高めていく方針である。この戦略はかなり有効であろう。

・これらの4社(富士フイルム、神戸製鋼、リクシル、JT)のプレゼンを、①マネジメント力、②イノベーション力、③ESG(環境・社会・ガバナンス)、④パフォーマンスのリスクマネジメントという4つの軸で評価すると、今回のプレゼンに対する筆者の個人的見解は、12点満点(1軸3点)として、富士フイルム8点、神戸製鋼6点、リクシル7点、JT 7点であった。それぞれ光る所がある反面、4つの軸について企業価値創造のストーリーを的確に語っているかという点では、まだ物足らない。

・限られた時間の中で、強調したいところにフォーカスしたものと理解しているが、もっとマテリアリティ(重要性)とコネクティビティ(つながり)に配慮して、企業価値創造のプロセスを表現してくれるならば、より説得的なものとなろう。IRとしての会社説明会はこれからも続くので、これらの企業の事業展開に今後とも大いに注目したい。
 

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