安倍政権のイニシャティブで「消費力」喚起へ、日経平均24000円も

(3) 世界経済は消費力に焦点が

米国で見られる新時代の消費力
2006年以来9年ぶりの米国の利上げは、米国経済がリーマン・ショックの後遺症を完全に払しょくした自信の表れと言える。リーマン・ショック後の大不況の困難は、2000年以降のIT革命の進行による生産性の上昇により生まれた余剰労働力、余剰資本が2007年まで建設部門(=バブル産業)に吸収されていたものが、バブルの崩壊により一気に顕在化し、戦後最大の失業・賃金停滞とカネ余り・低金利を引き起したことにある。この労働力と資本の余剰が辛抱強い量的金融緩和により、ほぼ解消しつつある。失業率は2009年のピーク10.0%から直近では5.0%まで低下した。また米国企業のフリーキャッシュフローを見ると、2000年以降の大幅な余剰がほぼなくなっている。設備投資額の増加が好調なキャッシュフローに追いついてきたためである。さらにようやく労働賃金が上昇し始め、2000年以降急低下していた労働分配率が底入れから上昇に転じ始めた。この労働分配率の低下こそ、企業収益を歴史的水準に押し上げた主因であり、企業の過剰貯蓄の根本原因でもあった。米国の雇用がどこで増加したのかを図表7で見ると、教育医療、専門サービス、娯楽観光など、ひとえに個人向けサービス分野であることが鮮明である。IT革命の下でのイノベーションと個人のライフスタイルの向上が進行し、個人向けサービス需要が急増しているのである。情報化時代の新ビジネスモデルと新ライフスタイルが垣間見える。在宅勤務、ビジネスマンの兼業の一般化、アウトソーシングの一般化、新ネットワークビジネスの誕生、ネットによる物流が主チャンネルになりつつあることなどにより、一層の個人生活のフレキシブル化が進行している。実際、米国の個人消費をけん引しているのがサービス分野であることは、ISM非製造業指数の上昇を見ても明らかである。
 
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企業収益段階にとどまっていたIT革命の成果がようやく個人のライフスタイルを変え、生活水準の一段の向上に結び付きつつあり、それは米国において歴史を画する情報ネット新時代の萌芽が見られ始めていると評価できる。米国においてはデフレに陥る危機は去ったと考えられる。米国の長期金利が日欧のそれを1%以上、上回って推移しているのはそれを如実に示している。それは米国株式の高バリュエーションにも表れている。2015年12月16日の9年ぶりの米国利上げを可能にしたものは、そうした労働余剰と資本余剰の顕著な減少であった。

2016年は米国流の新ライフスタイルの向上と個人生活水準向上が、ユーロ圏や日本などの先進国に伝播していくものと見られる。日本では2016年度予算にみられる子育て支援関連、三大都市圏の物流ネットワーク整備、介護施設・人材関連などの目玉が盛り込まれ、消費力を高める配慮がうかがわれる。

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