S&P 500 月例レポート

11月はM&Aにとって良い月となりました ―― いえ(またしても)非常に良い月だったと言うべきでしょう。ディールが続々と発表され、手数料も次々と入ってきました。英国バイオ医薬品会社Shire PLC(SHPG、11月は8.2%安)は、希少疾病に特化した米医薬品会社Dyax(DYAX、同22.3%高)を59億ドルで買収すると発表し、さらに報道によるとShireは同業のBaxalta(BXLT、同0.2%高)にも買収案を提示しています。ビデオゲーム・メーカーのActivision Blizzard(ATVI、同8.3%高)はデジタルゲーム・メーカーKing Digital Entertainment(KING、同18.2%高)を59億ドルで買収すると発表しました。林業大手Weyerhaeuser(WY、同9.7%高)からは同業Plum Creek Timber(PCL、同24.7%高)の70億ドルでの買収が発表されました。フランスの産業ガス大手Air Liquide(AIQUY、同6.2%安)は同業の米Airgas(ARG、同43.7%高)を134億ドルで買収すると発表しました。ホテルおよびリゾート運営のMarriott International(MAR、同7.6%安)は同業Starwood Hotel & Resorts(HOT、同10.1%安)を株式交換により122億ドルで買収すると発表しました。米ケーブル・テレビ会社Liberty Global(LBTYA、同4.7%安)は英Cable & Wirelessからカリブ海地域のケーブル・テレビ事業を53億ドルで買収することを明らかにしました。米現金自動預払機(ATM)メーカーのDiebold(DBD、同6.0%安)はドイツの同業Wincor Nixdorf(WNXDF)に18億ドルの買収提案を行いました。新聞報道によると、英プライベートエクイティ(PE)投資会社CVC Capital Partnersがペット用品販売のPetco HoldingsをPE投資会社TPGから45億ドルで買収するプライベートディールの提案を実施しました。Petcoについては以前、TPGがIPOを模索していると伝えられていました。憶測や噂が出たディールや不成立となったディールとしては、米独立系石油・ガス会社Apache(APA、同4.3%高)は同業Anadarko Petroleum(APC、同10.4%安)から買収の打診を受けた模様です。米鉄道Norfolk Southern(NSC、同18.8%高)はカナダの同業Canadian Pacific Railway(CP、同5.0%高)による買収のターゲットになっているとの噂が浮上しました。米ジェネリック医薬品大手Mylan NV’s(MYL、同16.4%高)はアイルランドの製薬会社Perrigo(PRGO、同5.3%安)に260億ドルの敵対的買収提案を実施しましたが、これに対しPerrigoの株主の40%しか応じなかったため、提案は取り下げられた模様です。一方、最初からディールがなかったケースもあります。スウェーデンの通信機器大手Ericsson(ERIC、同0.5%安)は米ネットワーク機器大手Cisco(CSCO、同5.5%安)との間で合併交渉は行っていないと発表しました。ジョイントベンチャーの発表後に噂が広がっていましたが、両社は否定しました。アクティビスト投資家たちも引き続きニュースを賑わせました。報道によると、カール・アイカーン氏は米複写機大手Xerox(XRX)の株式を7.1%保有し、Pershing Squareはバイオ医薬品販売会社Valeant Pharmaceutical(VRX)の株式を9.9%保有し、Elliott Managementは米アルミ大手Alcoa(AA)の株式を6.4%保有しているとのことです。11月に最も注目されたのはヘルスケアおよび特殊化学製品メーカーPfizer(PFE、同3.1%安)による後発医薬品会社Allergan(AGN、同1.8%高)の株式交換による買収で、買収額は1,550億ドルを超えるとされています。これによりPfizerは本社をアイルランドに移転するとみられ、その場合20億ドルの節税効果が期待できます。これを受けて税金を巡る政治論争が過熱していますが、租税政策の変更には煩雑な手続きと時間を要するため、ただちに変更されることはないでしょう。

IPOは活発で、待望の電子決済サービスSquare(SQ)によるIPOでは、正式な公開価格が9ドルに設定されました(仮条件は11~13ドル、最近実施された私募形式の株式売却価格は15.46ドル)。株価は33.8%高の12.04ドルで月を終えました。オンライン・デートサイト運営会社Match Group(MTCH)もIPOを実施しました。IPO価格は12ドルで、20.7%高の14.48ドルで月を終えました。総合すると、両銘柄からはIPO銘柄に対する投資家需要の状況が見えてくるものの、投資家の価格(および価値)を見る目は厳しさを増しています。

その他のニュースを見ると、アルゼンチンの大統領選で保守派のマウリシオ・マクリ氏(ブエノスアイレス市長)がリベラル派候補のダニエル・シオリ氏を破って当選しました。今回の選挙ではアルゼンチン経済が主な争点でした。中国と台湾の70年ぶりのトップ会談も大きなニュースとなりました。カナダと米国を結ぶキーストーンXLパイプライン建設計画は米政府により却下され、建設認可を求めた7年に及ぶ努力は終了しました。トルコはロシアの戦闘機が5分間で10回に及ぶ警告にもかかわらず領空侵犯を続けたとして撃墜しました。撃墜の一報を受け、事実や情報がまだ十分に伝わっていない中、市場(取引開始時点や先物の早朝取引)は下落し、原油価格は上昇しました。ロシアのプーチン大統領は、撃墜は「裏切り行為」でありロシアのトルコとの関係に「重大な影響」をもたらすと警告しました。中国では当局が不正取引の疑いによる捜査実施を発表し、株価が急落しました。直撃を受けたのは上海株式市場で、5%超の下げ幅を記録し、中国の証券大手Citic Securitiesなど一部銘柄は1日の値幅制限である10%まで下げ幅を拡大しました。現在および今後の動きが注目されるのは、利益予想を引き下げた米医療保険最大手のUnitedHealth Group(UNH、同4.3%安)で、同社はその理由として医療保険制度改革法(オバマケア)に基づいて創設されたオンライン保険市場「エクスチェンジ」関連での損失を挙げており、同社のプログラム参加について検証中だと発表しました。最近の2016年契約医療プログラムおよびレポートでは、現行プランが企業にとって収益性に乏しく、また消費者にとってもコストが増える一方で補償は減ることが示されており、事業モデルとして良い組み合わせと言えるものではありません。

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