2016年の相場展望 ~ 先進国の好況と中国経済不振の相克 ~

ミラー:最後に、株式がバブルだという声もあります。米国株式のPERは歴史的平均を大きく超えています。CAPEレシオで見ますと過去平均値16に対し、今は26と高いようですが、これをどのように見たらよろしいでしょうか。

武者:景気は順調である、従って株価が上がる、とは必ずしも言えません。株価が異常に割高であれば、それを抑制するために金融引き締めが始まる、利上げも始まるということで、株価に大きな制約要因が加わることがあるわけです。従って株式のバリュエーションをどう見るか、ということが今の時点で重要だと思います。特に株価が割高であると主張している人達の根拠は、今ミラーさんがおっしゃったCAPEレシオです。CAPEというのはノーベル経済学者ロバート・シラー教授が提唱しているCyclically Adjusted PE ratio(景気循環調整後PER)で、10年平均のPERを妥当なPER水準と考えて歴史的な推移をトラックしたものです。このCAPEで見ますと今のアメリカのS&P500のPERは26倍です。過去平均のCAPEレシオは16倍ですから、その限りにおいては、アメリカの株価は相当割高に買われているということは言えるわけです。ただし、バブルのピークは30倍とか50倍という水準ですからバブルのピークというところまでは行ってないとも言えると思います。

さて、重要なことは、CAPEレシオが今の株価を評価するのに適切な物差しかどうかということだと思います。私は今の情勢ではCAPEレシオを物差しとするのは適切とは言えないのではないかと思います。それはどういうことかと言いますと、CAPEというのは他の金融事情に一切かかわりなく、過去平均の水準が正しいという見方なのです。しかし、今の経済金融情勢の最大の特徴は、長期金利が歴史的な水準から大きく平均値を超えて下落をしているということです。このように長期金利が歴史的水準を超えて低下をしているという環境の下で妥当な株価水準はどの程度のところにあるかを考えなければなりません。

金利が下がっているということは、お金がたっぷりある、と同時に、借金をして株を買う際のコストが安いということです。ということは、低金利の下では平均的な水準よりももっと株価は上がって良いはずです。過去とは違い、金利を考慮しなくて良いから、平均値よりも株価はもっと高くても良いという理屈も成り立つわけです。私は今の投資家の役割はまさしくこの低金利下における妥当な株価水準を模索するということにあると思います。大雑把な言い方になりますが、おそらく過去の平均CAPEレシオの7割増し、場合によっては2倍水準というのが妥当な株価水準になるのではないかと思います。とすれば、今のアメリカの株は決して割高ではない。景気が良いならもっと上がり得ると考えて良い、というのが私の考えです。そういう観点からすると、日本株の割安さがもっと際立つということも申し上げておくべきだと思います。

ミラー/武者:ありがとうございました。

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