2016年の相場展望 ~ 先進国の好況と中国経済不振の相克 ~

また欧州も、図表13に見るように南欧諸国の経常赤字が一掃され、ギリシャの債務問題も決着し、金利の急低下も起き、全域での消費増加に弾みがつく局面に来ています。アメリカ、日本、欧州という先進国経済が2016年の大きな牽引役になり世界経済を押し上げていくということが期待できると思います。

★図表13-14

ミラー:中国経済の底入れがまだ見えないようですが、中国発の世界デフレや、中国発の世界金融危機は起きないか。投資家は何をウォッチすべきか、という点について少しお話ください。

武者:今ご説明しましたように、おそらく先進国経済に大きな死角はないと思います。ただ、問題なのは今ミラーさんがおっしゃったように中国です。中国は15年の超高度成長が終り、この高度成長のゆがみ、ひずみが一気に表面化する場面にきています。特に、中国の高度成長をもたらした大幅な投資が、住宅や企業設備や公共投資、インフラ分野において、過剰な投資の積み上がりとなっています。これが不良債権化しようとしている、という点で中国経済は非常に深刻な状態だと思います。おそらく、長い目で見れば中国経済は軟着陸が困難で成長は停止するようなことになっていくのではないか、と思っています。

ただ、目先の中国は比較的安定しています。特に今年の8月以降大混乱した中国の市場、一つは株式市場、もう一つは為替市場、これが大きく安定しているというのは好材料だと思います。株価の暴落も止まりましたし、8月の人民元切り下げの結果、人民元が急落するのではないかという不安が高まりましたが、その不安もいったんは収まっています。そしてここ1年間、ずっと減り続けていた中国の外貨準備高がこの10月、若干増えました。このことにより、不安定であった金融部門はいったん安定化したというのが今の状況です。

ただ、手放しで楽観できないのは、この株式市場・為替市場の安定はいずれも政府の力ずくの介入によって支えられているということです。このような政府の力ずくの介入がなければおそらく株も為替も安定はしないと思います。そういった意味でこれは本質的な解決策ではなく、やはり弥縫策なのです。この弥縫策が息切れをしてくると、来年、再び中国の金融市場は混乱を深めていくということもあり得ると思います。

来年中国経済を見ていく上で、落ち込んでいる中国のモノの動きが底入れするかどうかがカギとなるでしょう。現在のところ、鉄道貨物輸送量とか発電量とか粗鋼生産量などミクロのモノの動きはまだ落ち込みが続いており、底入れをしたということが確認できない状態です。金融市場は安定しているものの、まだ経済は手放しで楽観できる状況ではないのです。これが底入れできるかどうか。これが1つのポイントです。いろいろと景気対策が打ち出されると思います。金融緩和も行われています。従って一時的に底入れをするとも考えられ、それは好材料と言えます。

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