人民元不安鎮静化が年末のリリーフ・ラリーをもたらすか

国際金融のトリレンマの縛りは残る
これに対して今の中国は、自由な金融政策(大幅な金融緩和)と自由な為替水準(強い人民元の維持)を取り、かつてイギリスが墨守した資本取引の自由を一段と規制し始めたと読める。それは米国やIMFが求める自由な資本取引に依拠する弾力的為替相場とは対極にある反改革と言うべき政策である。中国政府と中央銀行は、改革による市場信認回復ではなく、統制強化による市場畏怖の道を選択したと言える。

人民元の価値維持を優先するとすれば、①(アジア新興国の中で最高の高賃金国となった)中国の対外競争力は抑制される。②また不動産価格維持に必須の金融緩和が、資本流出圧力により相殺される。人民元価値維持の政策は国内経済に一段と下押し圧力を強めるものとなるだろう。

2016年、中国財政政策の効果が焦点に
かくして中国では財政出動への必要性が一段と大きく強まる。中国経済が財政出動により底割れが回避され、金融緩和への過重の負担が軽減されれば、人民元価値の維持という政策は当面持続し得る。それが困難なら、一段の金融緩和と人民元安圧力が強まることとなる。2016年の最大の焦点の一つは中国の新ポリシーミックスがどう機能するか、にシフトするだろう。

★図表3-4

このように、中国当局は、資本取引規制による人民元価格維持という時間を買う政策を打ち出した。この政策が中国経済の安定化と持続的成長をもたらすかどうかは直ちに否定はできないが、疑問である。論理的には、金融規制強化と財政支出の増加は資源配分を歪め、経済体質を弱める。また、過度の通貨高は国内産業の競争力を弱体化させる。今輪郭を現わしつつある中国の緊急避難策、通貨価値の維持と財政支出の増大という組み合わせは、悪手と言える。

しかし、それは当面の世界の株式市場にとってはグッド・ニュースと言えるだろう。

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