シリア難民に冷淡な安倍首相

安倍首相は「難民支援にカネは出すが、受け入れを認める国内情勢にはない」と、にべもなく断った形となった。シリアの状況に関しては、補足しておこう。

シリアのアサド政権は「2、長らくシリアを治めていた」とあるように、不安定な中東にあって長く安定政権を維持していた。それが不安定になったのは、アサド政権が自国民の子供に化学兵器を使用したという映像が繰り返し流され、オバマ政権が、国民を虐待しているとしてアサド退陣を迫った頃からだ。

常識的に考えて、一国の首長が、自国民の子供相手に、国際法で禁じられている兵器を使うことはあり得ない。仮にその子供が反政府活動を行っていたとしても、オバマ大統領いうような独裁政権ならば、簡単に逮捕、あるいは単に行方不明にできるからだ。

化学兵器を使用しているのは「3、IS」の方だ。アサド憎しのオバマ政権が裏でISを支援していることはよく知られている。例えば、ISがイラクに侵攻すると、米軍に支援されたイラク正規軍が戦車などを連ねて鎮圧に向かうが、ISに直面すると兵器弾薬、食糧を捨てて逃げ帰り、それを見たISが戦うに値しないと、兵器弾薬、食糧などを持って、シリアに引き上げるというものだ。

日米の報道をみても、シリア、IS情勢は極めて不自然なことの連続であることが分かる。なぜ、米国がアサド憎しなのかは、イラクのフセイン政権を支援し続けたからだと思う。そして、これがそのまま米ロ対立にも繋がっている。

端的に言えば、アサド政権は、以前のフセイン政権やタリバン政権と同様、米国の言うことを聞かないので、政権から追われようとしている。米国はいくつかの反政府勢力を応援、そこにISが含まれていることで、シリア情勢は複雑化し、内戦が悪化した。なかでもISは手段を選ばない過激さなので、シリアからの避難民が続出した。

EU諸国は基本的に米国の同盟国だ。米国によるアサド政権への直接武力行使に主要国で反対したのは、ロシアと中国だけとなっている。その意味では、EU諸国は中東、シリア情勢に少なからず「責任」がある。難民の受け入れも、責任分担の一端という側面も持つのだ。

シリア難民に対する安倍首相の「冷淡さ」は、そういった国際情勢の理解の上かもしれない。もっとも、日本には「責任」がないとも言い切れない。

いずれにせよ、一般の理解は、アサド政権独裁によるシリアの混乱。内戦拡大による難民の急増。EU諸国への難民の殺到。人道的な受け入れ分担というものだ。日本だけでなく、欧米の報道でも、こういった理解がなされている。米政府の公式見解のままだ。

その状況で、「難民支援にカネは出すが、受け入れを認める国内情勢にはない」というのは、人道的な見方をする人たちからだけでなく、痛みを受け入れているEU諸国の人々、そして、痛みを感じているイスラム圏の人々からの反感を買いかねないものだった。米政府からは失笑を買いかねない。日本にとって益となるものは何もない。

新しい「3本の矢」もそうだが、政権も長くなると、様々なところにズレが生じてくる。安倍政権が日本のリスクとなることがないように祈りたい。

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