長期展望、日経平均長期上昇シナリオは終わったのか?

ミラー: 中国のこの混乱における日米への影響というのは、かなり限定的なのでしょうか?影響を受ける国もあるけれども、日米はそんなに影響を受けないということなのでしょうか?

武者: 中国のこの混乱は、マイナスとプラスの二つの影響を世界に与えると思われる。第一は、中国によって恩恵を受けていた国がダメージを受ける。その影響が一番大きなグループは、やはり資源国、ブラジル、オーストラリア、あるいは多くの産油国。中国に資源を供給していた国はこれによって、リセッションになるという可能性があり得る。産経新聞が報じた2013年の輸出の対中依存度は、アフリカ(アンゴラ44.5%、コンゴ共和国53.8%、スーダン31.5%、コンゴ43.7%、南アフリカ32.0%)、中東(サウジアラビア13.9%、イラク19.7%、イラン26.8%、オマーン38.2%、イエメン29.4%)、中央アジア(カザフスタン22.7%、モンゴル90.0%)、ラテン米国(ブラジル19.0%、ペルー17.8%、チリ24.9%、ウルグアイ21.9%、キューバ15.2%)、オセアニア(オーストラリア36.1%、ニュージーランド20.8%)、と圧倒的である。

それから、中国に製品輸出を大きく依存していた国もダメージを受ける。例えば、韓国(対中輸出比率26.1%)、シンガポール、香港は言うまでもなく、台湾(27.1%)、マレーシア(14.2%)、等もそうかもしれない。端的に言うと、グレーター・チャイニーズ。華僑資本が影響力を持っているような国。このような国は中国とタイアップして繁栄をし続けてきたので、中国の経済の悪化だとか地盤沈下、あるいは中国における不良債権の増加、中国に対して貸していたお金の焦げ付きなどが起きることによって影響を受けるだろう。

しかし、他方で中国が沈むことによって相対的に浮上する国、その代表はインドであろう。インドの非常に多くの雑貨類、例えば、衣料、おもちゃ、スポーツ用品などの雑貨類は圧倒的に中国から輸入している。本来、新興国で成長していくためには、様々な製造業を自分の国でやらなければならない。しかし、インドは最初の離陸をサービス業、ソフトウェア産業で行ったということで、製造業においては産業基盤があまり整っていなかった。従って、増えた需要に対して供給が増加したのは、中国からの輸入なのである。しかし、これを今度は国内に切り替えるということになると、中国の地盤沈下はインドの産業集積を可能にする。似たようなことがベトナムでも起ころうとしている。

それからもう一つは、中国が世界の成長資金を一手に集めていた。この中国に集中していた成長資金が中国以外のところに行くとなると、それは米国、日本、欧州の先進国である。そうなると、中国に代わって先進国の国内需要が世界経済を引っ張ることになる。換言すれば中国がハードの投資で世界需要創造に貢献してきたわけであるが、それが先進国の需要創造に肩代わりされなければならない。一体、どこにその資金が投入されて成長するのか?恐らく、先進国は中国とは違って、もはやハード、モノの成長ではなくて、多くはサービスの成長。サービスを充実させることで、より人々が豊かな生活をするという新たな成長の領域に入っていくと思われる。このように米国、日本、欧州、先進国におけるサービスの成長、人々の生活水準の一段の向上、これが世界経済を引っ張るとすれば、このような先進国は新たな成長領域を見出すということになる。そして、このサービスの成長というのは、言うまでもなく、インターネット、人工頭脳という劇的な技術革新に見合う新たなライフスタイルと産業イノベーションを引き起こすということになる。

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