異説・中国経済論 ‐中国は失速するか、世界株安の犯人は中国か‐

◇中国は3~4年前から減速
 表2に見るように、近年、中国経済は「成長屈折」が見られる。GDP成長率は2000年代は10~13%の高成長が続いたが、この3~4年、7%程度の成長率になっている。明らかに減速している。
★表2 中国の経済成長率
 
 中国は「世界の工場」と言われるようになった。導入技術で、カラーTV 、パソコン、スマホ、何でも作れるようになった。この製造技術分野で日米に追い付いたのである。この過程は、日本と同じように「設備投資・輸出主導」型の二ケタ成長である。成長要因の分析を行うと、技術進歩の貢献度は約4割、日本と同じである。
 
 しかし、キャッチアップが終わると、技術進歩が低下し、経済成長率は低下する。実際、上述のように、従来の二ケタ成長から、この3~4年、7%程度の成長率に減速した。つまり、現在の中国の成長減速は特殊な理由があるのではなく、70年代の日本と同じことが起きているのである。40年のタイムラグを伴っているだけであり、本質に差はない。
 
 最近の世界株安に関連して中国の「成長減速」が問題になっているが、2ケタ成長から7%成長への減速であれば、それは3~4年前から起きていることであって、2015年8月に起きたわけではない(注、市場で騒いでいる「中国減速」が10%から6~7%への減速なのか、それとも中国経済の失速、底割れを言っているのかは不明。もし後者であれば、現状6~7%程度の成長を示していることを否定する論拠が必要であろう。李克強指数については後述)
 
 ちなみに、日中の成長屈折時点での一人当たりGDPを比較すると、日本は1972年2,840㌦、75年4,500㌦、77年6,000㌦である(日本の所得水準の上昇は円切り上げの効果が大きい)。これに対し、中国は2012年6,200㌦、14年7,600㌦である。中国の成長屈折は日本より高い所得水準で起きている。
 
 現在の中国経済は調整期にある。一つは技術進歩率の低下であるが、資本ストックの調整、不動産バブル崩壊が重なっている。
 例えば、鉄鋼業は粗鋼生産8億㌧に対し、生産能力は11億㌧もある。3億㌧の過剰設備である。つまり、日本の粗鋼生産規模の3倍もの過剰能力である。しばらく、設備投資を必要としない。セメント、ガラス、化学など広範な産業で同じ問題が起きている。
 
 資本ストック調整が大規模に起きているため、投資活動が抑制され、経済成長は鈍化せざるを得ない。不動産投資も同じ問題を抱えている。日本でも米国でも、資本主義国ならどこでも起きる景気循環であり、特殊中国的な問題ではない。
 
 加えて、輸出が伸びない(これも3年前から)。人件費高騰と人民元上昇が要因だ。中国の為替制度はドルと連動するように基準値を動かすソフトペッグ制度を採用しているため、最近はドルの上昇とともに人民元も上昇し、人民元は4割も強含みになっていた。これでは輸出が難しくなるわけだ。

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