それでも、米連銀は利上げを敢行する?

一方、雇用市場はゼロ金利を正当化できるどころか、景気加熱期に匹敵するほど回復している。米連銀が注目するJOLTS求人件数をみても、9月9日に発表された7月の数値は前月比43万件増の575万3000件と、統計を開始した2000年12月以来の高水準だった。採用件数は前月の520万件から500万件に減少した。採用ペースは鈍っており、企業の人材確保が困難な状況を示唆した。いずれ賃金の伸びが加速する可能性がある。

また、0.25%や0.50%の利上げで、実体経済や企業業績に大きな影響が出るとは思えない。米企業の社債残高の大きさを懸念する声もあるが、これは低利でふんだんに資金調達を終えたことを意味し、今後10年近くの金利負担は低いままであることも示唆している。

米国投資適格社債市場規模は2015年4月1日時点で、5兆3001億ドル。1-3月の米企業の債券による資金調達額は4260億ドル超と、過去最大規模だったので、4-8月が同じペースで増えていても、6兆ドル余りだ。

一方で9月2日時点の、法人向けMMFの資産残高は1兆7800億ドルだった。利上げはMMFからの金利収入を増やすので、今後の利上げは米企業収益にプラスに作用する可能性が高い。

米連銀のほぼゼロ金利と、膨大なバランスシートは、米経済が未だ未曽有の危機から脱していないことを示唆している。つまり、実態とは大きくかけ離れた金融政策なのだ。

米連銀の2007年9月からの利下げ、それに続く量的緩和は見事なものだった。実体経済、株価、住宅市況も回復した。特に労働市場の回復には目を見張るものがある。

相場に例えるならば、米連銀はポジションを史上空前規模のロングでパンパンにすることで、この大相場をつくってきた。これまでにも利食いのチャンスはあったが、中国リスクの台頭で、利食えない可能性も出てきた。先に挙げたリスクが顕在化し、9月の利上げが最後のチャンスになる可能性は誰も否定できない。そうなると、せっかくの利食いのチャンスを逃し、量的緩和の再開というナンピン買いの可能性が浮上する。

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