S&P 500 月例レポート

市場が乱高下したものの、M&Aは8月も活発でした。ドイツの自動車メーカーAudi、BMW、Mercedesによる企業連合はノキアから地図アプリ事業HEREを28億ドルで買収すると発表しました。中国の電子商取引会社Alibaba(BABA、8月は15.60%安)は実店舗展開する家電販売のSuning Commerce Groupの株式の20%を46億ドルで取得すると発表し、投資家の予想を下回った第2四半期の増収率(28%)の要因について、中国景気の減速を挙げました(トレーダーはそんな言い訳を求めていませんでした)。ウォーレン・バフェット氏のBerkshire Hathaway(BRK.B)は航空機エンジン向け鋳造部品を製造するPrecision Castparts(PCP、同18.13%高)を320億ドルで買収すると発表しました。インターネット・セキュリティー・ソフト大手Symantec(SYMC、8月は9.89%安)はデータストレージ事業(Veritas)を80億ドルで投資会社Carlyle Group(CG)に売却すると発表しました。支払いサービスを手掛けるFidelity National Information Services(FIS、同5.55%高)はソフトウエアメーカーSunGardを91億ドルで買収すると発表しました。General Electric(GE)は予想通り、ヘルスケア融資事業をCapital One(COF)に売却することになり、売却価格は85億ドルに設定されました。8月後半にかけて相場が崩れたにもかかわらず、M&Aの発表は続きました。電力会社Southern(SO)は天然ガス会社AGL Resources(GAS、同28.85%高)を80億ドルで買収すると発表し、油田サービスのSchlumberger(SLB)は石油・ガス業界向けの設備を手掛けるCameron International(CAM、同32.30%高)を127億ドルで買収することで合意しました。しかし、農業製品ビジネス大手Monsanto(MON、同4.16%安)はスイスの同業Syngentaに対する460億ドルの買収提案を取り下げました。また報道によると、現在のペースが続くと2015年のM&Aの総額は推定4兆5,800億ドルとなり、過去最高を更新する見込みです(従って投資銀行の業績をさらに押し上げる可能性があります)。現在の過去最高額は2007年に記録した4兆2,900億ドルです。

経済関連のニュースも多くの注目を集めました。中国国家統計局が発表した7月の購買担当者景気指数(PMI)は50.0と、6月の50.2から低下しましたが、財新(Caixin)による中国のPMIはこれを大幅に下回る47.8となり、6月の49.4から低下して(50を下回ると景気が悪化していると見なされます)、株価を押し下げました。米国では、予定より早く公表された7月のISM製造業景況指数(午前10時の予定が午前9時10分に繰り上げ)が予想を下回り(52.7。予想は53.7)、景気に対する不安がやや浮上しました。6月の製造業受注指数は1.8%増と、予想(1.7%増)を上回りました。
7月の雇用統計は概ね予想通りで、非農業部門就業者数は予想を若干下回り(21.5万人増。予想は22.3万人増)、平均時給は0.2%増(予想通り)、週平均労働時間は増加(34.5時間から34.6時間)、労働参加率は横ばいでした(62.6%)。7月の小売売上高は予想を若干上回り(0.6%増。予想は0.5%増)、鉱工業生産も予想より強い結果となりました(0.6%増。予想は0.4%増)。7月の輸出物価指数はマイナス幅が予想を若干下回り(0.2%低下。予想は0.3%低下)、輸入物価は0.9%低下となり、前年同月比では10.4%低下となりました。住宅市場では、7月の住宅着工件数が大幅に増加して(年率換算120.6万戸)、住宅は引き続き経済の牽引役の1つとなっています。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比5%上昇、6月のFHFA住宅価格指数は5.7%上昇となりました。コアCPI(食品とエネルギーを除く)上昇率は前年同月比1.8%と、FRBの目標である2%に近い水準となりました。2015年第2四半期のGDP成長率の改定値は年率換算で前期比3.7%と、速報値の2.3%から上方修正され(予想は3.3%増)、その要因として住宅建設、個人消費、企業支出の増加が指摘されました。
ブルームバーグの不注意によって、FOMC議事録の一部が正式発表の約1時間半前に公表されてしまったことから、株式市場は一時的に混乱しました。議事録はFRBが年内の利上げを望んでいることを明らかにしましたが、メンバー間では9月に利上げを開始するかについて意見が分かれているようです。また、この議事録は中国の問題が発生する前に開催されたFOMC会合のものです。中国の問題は同国の7月の輸出が前年同月比8.3%減少、輸入が同8.1%減少という形で始まり、その後は混乱が続きました。中国政府が自国経済の下支えと輸出の拡大を図る中、中国人民銀行は何の前触れもなく人民元の切り下げを実施しました。人民元の切り下げ後、中国政府は大幅に下落していた株式市場の下支え策を打ち出しただけでなく、通貨の予想以上の下落に対して人民元を買い支える措置を講じました。

なお、インターネット関連企業のGoogle(GOOGL、8月は1.47%安)は同社と複数の企業の親会社としてAlphabetという持株会社を設立すると発表しました。

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