2015年9月1日時点での主要市場見通し

シナリオの背景

これまで当レポートで主張してきた、短期警戒シナリオは実現した。そうした世界市場に調整をもたらす要因として、当レポートでは、1)高すぎる米国株価のPERの低下、2)中国経済の悪化、3)海外要因を跳ね返して日本株が逆行高するという説の誤り、を指摘していた。世界市場が大幅な調整に見舞われた、ということだけではなく、調整の背景要因もほぼ予想通りだった。
そして見通しに近い形で調整が進んだのだから、今後は、以前からずっと想定していたように、長期楽観シナリオに一歩進むのは、自然なことだ。実際、日米の経済実態などに、何も大きな変調は生じていない。

そこで、まず米国から順に、調整がほぼ完了したかどうかの度合いと、経済実態等の確認、リスク要因の把握を行なっていこう。
米国株価について、もっとも懸念されたのは、実態の改善以上に株価が買われてしまい、PERで見て買われ過ぎの状態にあったことだ(図表1)。S&P500指数の予想PER(ファクトセット調べ)は、近年は概ね12~18倍の範囲で推移していた。これが最近では18倍に近い水準で推移し続け、先行きの株価の反落が懸念される状況にあった。

(図表1)
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しかし、8月の株価急落で、8/28に終わる週の予想PERの平均値は、16.4倍まで低下した。日々のデータで見ると、終値ベースで最近の最安値をつけた8/25には、15.8倍と、15倍台に入っている。まだ2006年以降の平均値である、14.9倍とはやや差を残しているが、ぴったり平均値までPER調整が行われる必要があるわけではない。米国株価の割高さは、かなり解消されたと言えよう。
また、米国の景気の状況は、緩やかな回復を持続している。雇用者数は、このところ安定的な伸びを続けているし、主要な経済指標の動向をみると(図表2)、昨年、今年の厳冬期を除いては、右肩上がりの推移を維持している。
ただし、内需系の経済指標が安定的な回復を持続しているのに対し、鉱工業生産はやや軟調だ。これは、新興諸国経済の減速や米ドル高で、輸出向けの生産が圧迫されているためと推察される(とすれば、米政府は、引き続き米ドル高をけん制する姿勢を続けよう)。
また、同様の理由で、EPS(一株当たり利益)見通しは、前年比増益を維持しながらも、下方修正が続いている(図表3)。米株価にとって、経済環境や企業収益の状況は、株価を支持する方向にあるが、その力は限定的で、株価上昇は緩やかなものを見込むべきだろう(※1)。

※1 もちろんこれは、株価の基調的な推移を述べたもので、現実の株価は、その基調の周りを、短期的に上下に振れるだろう。

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