中国、たたみ重なる二律背反、悪循環が始まった可能性

危機対応策が事態を悪化させる
経済政策面でも需要創造政策において二律背反が起きている。成長急鈍化の根本原因は不動産、設備、インフラなどの過剰投資であるのだから、消費への需要シフトが唯一の対応策なはずである。しかし消費拡大のための賃金上げ、労働分配率の引き上げは収益が悪化している企業のキャッシュフローを直撃するので困難である。したがって、失速回避のため屋上屋のインフラに対する過剰投資を積み上げている。

金融面でも二律背反が顕著である。株式の暴落対策、海外資本逃避の抑制、経営が困難化する国営企業・地方政府へのファイナンス強化のために、裁量的金融の強化が不可欠となっている。それは市場の自由化による適正な資本配分の促進に逆行する。そもそも中国経済に対する根本的処方は、政治的民主化による分配構造の改革、国有企業改革であるはずだがそれは統制を壊し経済困難を一段と強めるとして棚上げされる。

このようにして中国経済と市場はいよいよ手詰まりとなり、株式や通貨のフリーフォールに帰結する悪循環というシナリオも排除できなくなってきた。この先しばらくは弥縫策による小康状態が繰り返されるだろうが、それは事態を底入れさせるものにはならない。

日本への影響はマイナスばかりではないが、リスクテイクには慎重さが求められる
中国の輸出悪化とは裏腹に、品質と技術(非価格競争力)に勝る日本の輸出は大きく改善しており(7月輸出は前年比7.6%増)、日本の相対的優位化がうかがわれる。また日本の企業増益率が主要国で最高と予想されていること、日本株式のPBRなどバリュエーションは世界最低であることなど、割安さが際立っている。魅力的投資対象が著しく少なくなっている中で、世界投資家の日本株オーバーウェイトはさらに活発化すると予想される。

日本株式の需給環境は良い。①海外投資家、②国内公的資金・日銀、GPIF、ゆうちょ銀行、かんぽ生命、年金、保険など組み入れ増加、③国内個人資金、など内外すべての投資家において日本株投資余力は空前の規模になっていると推測される。日本株式の長期上昇シナリオは、揺るがないと考えられる。

とは言え、中国発の経済金融困難がどのような形で展開されるか、警戒が必要な局面に立ち至っている。短期日本株式展望に関しては、大荒れのリスクシナリオも念頭に入れておくべきかもしれない(言うまでもなくそこは底値買いの投資機会を提供してくれるものとなろうが)。

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