S&P 500 月例レポート

相変わらずM&Aの発表ラッシュが続いており、ロースクールを卒業する多くの学生に希望をもたらしています。既にわかっていたことですが、5月はM&Aに良い季節だということが統計で裏付けされました。5月のM&A金額は2,430億ドルと、2007年5月に付けたこれまでの記録(2,260億ドル)を上回り、過去最高を更新しました。半導体メーカーIntel(INTC)は憶測通り、同業のAltera(ALTR)を現金167億ドルで買収することになりました。特殊化学品メーカーOM Group(OMG、6月は26.6%高)は米買収ファンドApollo Fundsによる10億ドルでの買収に合意しました。General Electric(GE)は融資事業を120億ドルでCanada Pension Planに売却することで合意し、その後、月後半にはメキシコとオーストラリアの車両リース事業を69億ドルでカナダのファイナンス・リース会社Elementに売却することで合意しました。東京海上ホールディングス(TKOMY)は米保険グループHCC Insurance(HCC)を75億ドルで買収すると発表しました(HCCは6月に34.4%高)。米ドラッグストアチェーン大手CVS Health(CVS)はディスカウントストアTarget(TGT)が店内で運営する薬局・診療所を19億ドルで買収しました(TGTは1週間で2.9%上昇)。後発医薬品(および、しわ取り注射剤「ボトックス」)メーカーAllergan(AGN)は二重あご解消の医薬品を手掛ける同業のKythera Biopharmaceuticals(KYTH)を21億ドルで買収すると発表しました(KYTHは6月に49.5%高)。オランダの食品スーパーKoninklijke Ahold(AHONY)は株式による総額104億ドルで、ベルギーの同業European Delhaize Group(DEG)と合併すると発表しました。再保険会社Tower Watson(TW)とWillisは株式交換方式(時価総額180億ドル)での合併を発表しました。一方、買収案が拒否されたケースもあります。医療保険会社Cigna(CI、6月は15.0%高)は同業のAnthem(ANTM)による475億ドルの買収案を正式に拒否し、天然ガス・石油パイプライン運営のWilliams Companies(WMB、6月は12.3%高)は480億ドルの一方的な買収案(unsolicited offer)を拒否しました。そしてこれら全ての手数料収入が第2四半期から投資銀行の損益計算書に反映されると思われますが、大半は年後半になるでしょう。

世界の経済指標に関するニュースでは、ユーロ圏の5月のインフレ率は0.3%と6カ月ぶりにプラスとなりました。インド準備銀行は今年3回目の利下げを実施しました。中国では今年4回目の引き下げを行い、貸出金利が0.25%引き下げられて4.85%に、1年物預金金利が2.25%から2.00%に引き下げられたほか、預金準備率が0.5%引き下げられました。政策金利と預金準備率の両方が同時に引き下げられるのは稀で(前回は2008年)、今回は上海株式市場の7.4%の下落を受けて実施されました。中国経済の2015年第1四半期の成長率は前年同期比7.0%と、6年ぶりの低い水準となりました。また、ウィーンで開催された石油輸出国機構(OPEC)総会では石油生産目標は据え置かれ、原油価格はレンジ内にとどまりました。米国の2015年第1四半期のGDP(確報値)は改定値の0.7%減から0.2%減に上方修正されました。日本の第1四半期のGDP成長率は2.4%から3.9%に上方修正され、EUのGDPは2014年第4四半期と比較して0.4%増加しました。ドイツではインフレが低位にとどまっているにもかかわらず、3月の労働コストが前年同月比3.2%上昇となり、コストプッシュ・インフレを指摘する声が聞かれました。米国の5月の雇用統計は非農業部門就業者数が28万人増と市場予想を上回りましたが、失業率は、2008年5月以来の低水準となった4月の5.4%から0.1ポイント上昇して5.5%となりました。米連邦準備制度理事会(FRB)は5%~5.2%を完全雇用状態と考えています。4月の求人労働異動調査(JOLTS)によると、求人数は過去最高の537.6万人でした(FRBにとって好ましい結果は市場にとっても好材料です)。住宅関連では明るいニュースが数多く発表されました。5月の住宅着工件数は予想を若干下回りましたが、4月の数字は大幅に上方修正され、住宅建築許可件数は予想を大幅に上回り、先行きの好調さがうかがえます。5月の中古住宅販売件数は年率換算で大幅な伸びとなり、新築住宅販売件数も予想を上回る7年ぶりの高水準となりました。住宅市場の回復の可能性を押し上げているのは中古住宅販売の堅調さで、その一因が初回購入者の増加です。こうした買い手が市場に戻ってくれば、住宅市場の回復は現在の予想を大幅に上回る可能性があります。しかしながら、投資家の注目を集めたのはFRBの四半期予想でした。それによるとFRBは2015年末の金利水準を0.625%(3月時点の予想と変わらず)と予想しており、これについて大方は今年0.25%の利上げが2回実施されると解釈しました。2016年の予想は1.875%から1.625%に、2017年の予想は3.125%から2.875%にそれぞれ下方修正されました。従ってここから、9月に0.25%の利上げが1回実施され、経済指標が好調であれば(そしてギリシャ情勢が落ち着けば)、12月にさらにもう1回0.25%の利上げが実施される可能性があると考えられます(ただし2回目の利上げに対する市場の見方はまちまちです)。

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