見えてきた日米欧、先進国主導の世界景気、BRCS(除くI )の衰弱と裏腹に~サマーラリーの構図、ドル高と日欧株高と~

(2) ギリシャ懸念はあるものの欧州経済も着実に回復軌道へ

回復期待高まる欧州
OECDは欧州経済見通しを上方修正した。昨年11月時点と比較し、2013年-1.3%、2014年+0.9%に対して、2015年予想1.1%から1.4%へ、2016年予想1.7%から2.1%へ、である。ECBもユーロ圏成長率を2015年1.5%、2016年1.9%とアップビートで見ている。ユーロ安、原油安に加えてようやく拡大に転じた銀行貸し出しが寄与していくものと予想される。また長期の経済停滞により、ペントアップディマンドが蓄積していることも南欧諸国の需要拡大を支える。ギリシャの暗雲も近々晴れると予想される。ドイツ国債利回りが1か月余りで0.1%から0.9%へと急騰するなど債券市場の高ボラテリティーがかく乱要因になっているがそれはQE導入直後の日本国債利回りにも見られたことで、トレンド転換の証であろう。市場はデフレ懸念払しょく後のフェアバリューを模索しているのであり心配することはない。図表9ユーロ圏の不均衡(経常収支)推移に見るように依然欧州、ことにドイツは顕著な貯蓄過剰状態にある。ECBによる量的金融緩和が実施されている下での欧州諸国長期金利の上昇はごく限定的と考えられる。ギリシャ問題に片が付く夏場以降、再度欧州債券市場は安定化していくだろう。

ギリシャの対外赤字、プライマリー財政赤字は解消している、EUに譲歩の余地あり
現在とギリシャ危機の2010年とは根本的に情勢は異なっている。当時の問題はギリシャをはじめとした南欧諸国の過剰消費と過剰債務、にあった。しかし今のギリシャ、南欧諸国は消費抑制により過剰債務は一掃されている。図表10に見るように10%前後にあった南欧諸国の対外経常収支の赤字(対GDP比)は、ほぼゼロないしはプラスに浮上している。また財政収支もプライマリー財政バランスで見れば、ギリシャを含めて南欧諸国は全て黒字になっている(図表12)。それは金利上昇と財政赤字削減により、国民の生活水準が劇的に引き下げられたからである。ただ景気後退の結果、南欧諸国の失業が上昇してしまっている。

よって、2010年の正しい対応は南欧諸国の消費抑制と債務返済であり、その後に起こったことは景気後退であった。それに対して現在の問題は正反対の過剰貯蓄と需要不足なのであるから、正しい対応は需要創造による過剰貯蓄の解消、つまり成長を促進するリフレ政策の導入ということになる。問題は大幅な経常収支の黒字による巨額の貯蓄余剰を積み上げたドイツが、財政緊縮と金融緩和に対する後ろ向きの姿勢によって、リフレ政策に背を向けていることである。その結果ユーロ圏全体が、日本が陥ったようなデフレに陥るリスクが高まっている。

したがって、ギリシャ急進左派連合政権チプラス首相の、財政緊縮の緩和を求める主張にも一理あり、厳格に緊縮継続と債務返済履行を求めるIMF、EU、ECBの側にも譲歩の必要性がある。とりあえずIMFに対する返済期限を6月末に延期したので6月末が正念場となる。ギリシャ世論はEU側の要求受け入れとユーロ残留に傾いているとされるので、最終合意は可能ではないか。仮に国民投票になったとしても、なおグレクジット(Grexit=ギリシャのユーロ離脱)は回避されると思われる。

★図表9-10

★図表11-12

★図表13

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