利潤率と利子率の乖離が示唆する歴史的投資チャンス~量的金融緩和がなぜ必須なのか、成功できるのか~

今日本で闘わされている論争は、反成長政策とリフレ政策であり、需要創造を無視する政策か、あるいは需要創造を促進する政策かという対決にある。今何が必要かを考えると、この需要創造政策、金融的にいえば量的金融緩和による人と資本の余剰を活用する政策、が大事なのだとおわかりになるのではないか。しかし残念ながら、そのような考えは依然として、多くの経済学者や市場参加者あるいは政策当局に共有されていない。リフレ政策あるいは財政による需要創造は不適切であり、むしろ財政赤字や不良債権の処理等後ろ向きのバランスシートの整理が大事だというような議論が多い。、本質である資本と労働の余剰を活用するところにフォーカスがなされず、資本と労働の余剰を放置して経済をますます悪化させてしまうような主張が横行している。これに関して、日本の論壇ではまだ議論の決着はついていないのである。

しかし、米国では決着がついている。今米国で、量的金融緩和を否定するような論者は、ほとんど皆無だと思われる。そして、指導的なエコノミストであるポール・クルーグマン(Paul Robin Krugman)やジョセフ・スティグリッツ(Joseph Eugene Stiglitz)あるいはローレンス・サマーズ(Lawrence Henry Summers)などは皆、今必要なのは財政出動による需要創造だと言っているのだ。米国の財政赤字は、ピークでGDPの13%あったものが、2.8%まで急速に縮小してきた(図表18)。そろそろ需要を創る為に公共投資などの財政出動が必要なのではないかと、米国の指導的なエコノミスト達は強く主張を始めている。これが、今世界の最先端を走っている米国経済や政策を支えている経済学者の理念である。つまり後ろ向きの政策ではなくて、需要を増やし成長を促進するための金融財政政策が、米国のこれほどの回復と世界最高の株式パフォーマンスを可能にしている思考なのだと考えられる。

★図表18

(5) 妥当な株価水準はどのように考えられるのか

妥当株価は弾力的に変化する
このように考えると、妥当な株価とはいったい何かということも考え直す必要が出てくる。妥当な株価に関しても、今や従来の常識を離れて考えるべきではないか。図表19は、日本と米国の株式と債務を足した時価総額のGDPに対する比率だが、例えば米国は、債務で見ても株式時価総額で見ても、ITバブル崩壊で大きく低下したこの比率が、過去最高の水準以上に高まっている事がわかる。このグラフを見る多くの人々は、米国の中央銀行は超金融緩和によって資産バブルを作ることで経済を押し上げており、それは不健全な政策だと思うかもしれない。これに対して、好対照なのが日本である。今から24年前のバブル崩壊以降、時価総額はずっと低下をしている。すなわち、資産価格を押し上げる金融政策こそが、米国の経済を復活させ完全雇用に近づいている政策なのだということを、我々は理解しなければいけないのだ。

★図表19

ここでの第一のポイントは、株価は従属変数であり、株価のレベルそのものに絶対的根拠があるわけではないということである。大事なのは完全雇用であり、完全雇用を実現するための最適株価を考えることが大切なのである。もしも株価がもっと下落したら雇用はもっと悪くなり、もしも株価がもっと上がったら完全雇用が実現できるとしたら妥当株価はもっと上であることを意味する。そうだとすれば、完全雇用を実現する為の株価上昇は、正義であり合理性があるということになる。現在完全雇用が実現できていない裏側には、労働コストを節約して大儲けをしている企業がある。絶好調の企業収益というもう一つの現実があるとすれば、完全雇用を実現するための高株価を求めることは、極めて合理的なことだということがおわかりになるのではないか。

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