利潤率と利子率の乖離が示唆する歴史的投資チャンス~量的金融緩和がなぜ必須なのか、成功できるのか~

更に2000年前後に起こったもう一つの変化は、資金余剰の顕在化である。図表7により企業部門(非金融)のフリーキャッシュフロー(資金過不足状態)を見ると2000年頃から、それまでどちらかというと資金不足にあった米国の企業部門が、大幅な資金余剰になり、それがずっと続いていることがわかる。つまり2000年を境に、企業は著しく懐が豊かになったのである。それ以前は、企業は恒常的資金不足セクターで、家計の貯蓄余剰の受け皿であったが、それが2000年から大きく変わったのである。

さらに図表8により米国の所得収支の推移を辿ると、2000年まで米国は累積債務国であり、その結果として純所得収支はごく低水準であったが、2000年以降所得収支が激増し、米国は巨大な債務国であるにもかかわらず、著しく巨大な対外所得を獲得するようになっていることが分かる。この収入は配当収入あるいは特許料など、企業の海外利益の親会社への送金などが含まれるわけだが、この所得収支が激増していることも2000年以降の大きな特徴である。図表9に見るように、米国が世界最大の経常収支赤字国であることは、過去30年間変わらない。その結果、累積債務(累積経常収支で見た)は増加の一歩を辿っているにもかかわらず、所得収支は激増しているのである。この所得収支の大幅な改善には、直接投資に伴う資本リターンの向上が寄与している。

★図表7

★図表8-9

(2) 2000年を境に米国で起こった不連続変化、金融面

これら一連の動きを見ると、2000年に大きな構造変化が起こったことは確かだが、この構造の変化とは米国における生産性革命、と言っていいのではないか。そしてこの構造の変化が、金融面においても様々な変化をもたらしているということを、これから説明したい。

バブルの形成
金融面における第一の変化は、2000年から米国の住宅バブルが大きく増大し始めたことである。図表10は家計保有不動産時価のGDPに対する割合であるが、これが2000年から大幅に上昇している。資金余剰が金融市場において、大きないたずらを始めたことが、このグラフからわかることである。2000年ごろからの米国の不動産価格の上昇は、全米20都市住宅価格指数(図表11)を見ても明らかである。言うまでもなく2000年にはIT株式のバブルが生成、そして崩壊した。

★図表10-11

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