Buy in May、好循環始動への萌芽が注目される

(2)好循環に向けての萌芽

空前の高収益、ROE大幅上昇へ
本格的景気拡大を確信させる多くのシグナルが現れている。中でも最も注目すべきは企業収益である。2014年度、2015年度と15~20%近い増収増益が続いていこう。直近の日銀短観の大企業製造業の経常利益率は2014年度、2015年度見通しともに7%と過去最高水準となった。バブル景気ピークの1990年ですら5.8%であるから、顕著な体質改善がうかがわれる。また(2000年代初頭にはほぼ赤字すれすれに陥った)日本企業の申告所得総額は2013年度にほぼ過去ピークに並び、2014年度には過去ピークを大幅に上回るだろう。日本企業全体として、稼ぐ力が大きく高まってきた表れである。加えて、自社株買い、増配により日本企業のROEは一段と上昇するだろう。

★図表1-3

少し前の日本企業は、採算よりも量で勝負していた。シェアを拡大し売上数量を増やし、その結果、利益が少しは付いてきたということだった。しかし、今の日本企業は、価格競争から品質技術本位へとフォーカスを移し、採算重視のビジネス・モデルに転換した。それによる利益率の向上トレンドは、まだまだ続くと思われる。この高収益が好循環を引き起こしていくだろう。昨年までは企業は慎重で、稼いだ利益を貯め込んで、不測の事態に備えるという姿勢を崩していなかった。リーマンショックなど相次ぐ危機を経験したことにより、相当な財務クッションを必要とするという心理に陥っていた。儲けの多くを貯め込み、日本企業全体では200兆円(GDP比4割)を上回る現金をバランスシート上に蓄えてきた。つまり、稼ぐ力があるのに、需要創造に結び付かなかったのであるが、今年はそれが大きく変わってくるだろう。

設備投資、R&Dなどの企業の潤沢な資金を活用した財務活動は大きく活発化していこう。加えてM&Aも増えていくだろう。日本企業は今、ROEを高めるという株主からの要請と、政府からの期待により、財務運用の改善を迫られている。ROEを高めるためには、持てる資本を有効に活用するということが必要である。いくら大量の資金があっても、それが利息ゼロの預金に寝ていたのでは、株主の支持は得られない。それを企業買収などによって新たな投資に振り向ければ、0%の預金のリターンが、場合によっては10%位のリターンに結び付く。それがM&Aを大きく活発化させる要因となっている。

実質賃金の顕著な上昇
もっと重要な高収益がもたらす好循環は賃金上昇である。今年の春闘では1.7%位の定昇に0.6~0.7%のベアが加わり、全体として2.5%前後の賃金上昇で決着した模様である。1%強の物価上昇を差し引くと、概ね1.5%前後の実質賃金の増加ということになる。これは2000年以降では最高の伸びであり、積極的な消費を後押しするだろう。企業がこれだけ賃金の上昇を負担しても尚、労働分配率は61%台で過去最低水準に近い。ということは、もっと企業は労働者に報いることができる。恐らく、ボーナスも相当増えていくだろう。

★図表4-5

いよいよ始まった貿易数量の大幅改善
あと一つの顕著な萌芽は、貿易の顕著な改善である。3月の輸出は前年比で8.5%という大幅な増加、他方で原油価格の下落もあり輸入が14.5%のマイナスだったので、貿易収支は三年ぶりで2200億円と黒字化した。注目すべきなのは長期に渡って停滞していた輸出数量が、3月に前年比3.3%、過去4か月の平均は4%の増加となったことである。他方輸入数量は減少、特に中国からの輸入数量は3月は前年比29%の大幅減となった。コスト高になった中国からの輸入を、国内の生産に代替しようという動きが表れている。このように輸出の数量は増え、輸入の数量が減るということは、国内のこれからの生産活動を大きく押し上げる要因になっていく。

★図表6-7

企業収益と貿易という2つの決定要因の好転こそ、日経平均株価2万円を正当化するファンダメンタルズと言える。

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> 市場解説・相場展望> Buy in May、好循環始動への萌芽が注目される