電力供給の維持と安全確保のはざま?

・電力供給の維持と安全確保のはざま?

以下は原発先進国フランスの例だ。

(引用1)
ドイツ、スイス国境に近いフランス東部にある国内最古のフッセンハイム原発で不具合が頻発する一方で、オランド大統領が公約とした廃炉の見通しが立たず、3カ国の周辺住民と環境団体などが26日、早期の廃炉を求めてデモを行った。フランスでは北西部に建設中の最新鋭原発もトラブル続きで完成が遅れており、電力供給の維持と安全確保のはざまでフランス政府も頭を悩ませている。
参照:フランス:老朽原発、廃炉に暗雲
http://mainichi.jp/select/news/20150427k0000m030068000c.html

電力供給の維持と安全確保のはざまというのは正確ではない。日本でも2011年度以降の原発依存度がほぼゼロであったように、電力供給の維持は他の電源でも可能だからだ。むしろ、原子力の保有と安全確保のはざまというのが正しい。

私は、事故につながった福島第一原発の大参事しか知らなかったが、福島第二原発もあわや大惨事という状況だったようだ。

(引用2)
増田尚宏所長(当時)と400人の作業員は、絶えず目の前の現実が変化する中、作業の優先順位を確認しながら、何とか電源ケーブルを敷設することに成功し、3月15日午前7時15分、1号機から4号機のすべての冷温停止を達成。それは原子炉内の最大圧力が基準値を超えると予測されていた、わずか2時間前のことだった。
 「これは、危機的状況をリーダーとチームの力で乗り切った素晴らしい事例だ」
参照:福島第二原発を救った日本人のリーダーシップ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150415/279969/

(引用3)
それは、やはり増田さんをリーダーとして信頼していたからですよ。危機的な状況で「私にもこの後どうなるか分かりません。皆さんはどうするのが正しいと思いますか。私と一緒に打開策を見つけましょう」と言える人はそうそういないのです。増してや、増田さんは第二原発を知り尽くした人なのですから、なおさら説得力があります。
参照:ハーバードはなぜ「福島第二」の事例を教えるのか
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150415/279973/

福島第一原発の大参事は「不運」ではなかったのだ。2つある原発のうち、1つが救われ、1つが破綻したという5割の確率だったのだ。あるいは、ハーバードでリスク管理の授業が成立するように、増田尚宏所長(当時)のリーダーシップをもってしても、危機一髪で食い止めることができたほどの「幸運」だったのだ。

高浜原発、川内原発の再稼働をめぐり、司法の判断が真っ二つに分かれた。川内原発の再稼働を認めることで、安全面でのリスクがないとした鹿児島地裁は、建前の理論を優先したことになる。しかし、原発の理論的な安全性は世界各地で既に破綻している。

大事故を経験し、安全面でのリスクを十分に学習したはずの福島第一原発でさえ、その後も初歩的なミスが連発し、汚染水が海に流れ続けている。現場が一生懸命にやっているのは分かるが、いたずらに時間と経費とを消費するだけで、国民に安心感を与えてくれるものは何一つ提供できないでいる。

金融市場でもリスク管理に精通しているはずのトップランナーたちがしばしば破綻する。理論的には限りなく100%近く安全だとされるプランを、いとも簡単に破綻させるものは「欲と恐怖」だ。

マイナーなものを含めると、世界各地で原発事故は頻発している。安全宣言は楽観的な仮説の積み重ねでしかないとすら思える。核保有は「欲と恐怖の塊」だ。仮に、理論的には限りなく100%近く安全だとされるものでも、電源は万一の事故が起きた時に、致命的な損害を与えないものにするべきだ。もっとも、政府は福島当地の被害を致命的なものだとは見なしていないのかもしれないが。

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